10月15日に東京・国立競技場発着のコースで行なわれる、パリ五輪の日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ（MGC）」の記者会見が13日、都内で開催された。男女の出場予定選手が出席し、意気込みなどを語った。

　男子は日本記録保持者の鈴木健吾（富士通）、東京五輪６位入賞の大迫傑（ナイキ）の２名を中心に実力者が揃った。大迫は「身体の状態はいい」と話すなど、一発勝負の代表切符争いに気合十分だ。

　オリンピック代表枠は男女各３枠。MGCで上位２位に入れば、代表権を得られるサバイバルレースが刻一刻と近づくなか、虎視眈々と上位を狙う猛者がいる。昨年の世界選手権代表の西山雄介（トヨタ自動車）だ。
  　西山は会見後、「世界選手権よりも全然いい状態です。自信を持って臨めます」と断言。マラソンは昨年７月のアメリカ・オレゴン大会以来１年３か月ぶりだが、28歳に不安はなく、自身３度目のマラソンに向けて自信に満ちた表情で語った。

　昨年の世界選手権後の10月には既にMGCの出場権を手にしていながら、敢えて『東京レガシーハーフマラソン』に参戦。西山は「MGCを見据えて」パリ五輪のマラソン有力候補者らとしのぎを削り、１時間２分15秒の日本人３位（全体11位）でフィニッシュ。本人にとってもこの経験は大きかったようで、「（コースを）走ると、走らないとでは違う。（レガシーハーフを）走った経験を今回のMGCで生かしたい」と確かな手応えを得て、この一戦に懸けてきた。

　手強いライバルも多いが、「他のレースと違って駆け引きがあるレースなので、臨機応変に対応していきたい。初心を忘れずフレッシュな気持ちでレースに臨みたい」と話し、自然体な気持ちで大一番に臨む。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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