マラソン・駅伝

「いつも通り」のトレーニングを“単独”で完遂した大迫傑。2度目の五輪代表入りに確固たる自信「いい走りをするだけ」【MGC】

酒井政人

2023.10.14

東京五輪6位入賞の大迫がMGCに参戦。順調に調整を積んでおり、今回は「大本命」と言えるかもしれない。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 10月15日に開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)。大会が近づくにつれて大迫傑(Nike)の『存在感』が強くなっている。

 大迫は「ラストラン」として臨んだ2021年の東京五輪で6位入賞。一度は現役を引退したが、表舞台に戻ってきた。

 マラソンは昨年11月のニューヨークシティ(2時間11分31秒=5位)で復帰すると、約4か月という過去最短スパンで今年3月の東京に参戦。「割とチャレンジング」だったというが、しっかりと結果を残す。40キロ過ぎに右脇腹を抑えるシーンを何度も見せながらも、日本人3番となる9位でフィニッシュ。2時間6分13秒のサードベストで走破したのだ。

「どこまで仕上がるのか分からなかったんですけど、タイムは非常に良かったと思います。ただ(順位は)最後の4キロですべて決まった感じでしたね。動かし切れなかった部分は、今後準備していけば対応できると思うので、今回の落としどころとしては、良い着地だったんじゃないでしょうか」
 
 東京マラソンのゴール後、MGC出場については明言を避けたが、「ほぼほぼMGC出場を決めていたので、そこから逆算して作ってきました。流れのなかで違和感なく2つのマラソンをつなげられるのかなと思います」と2度目のMGCに向けてしっかり合わせてきたようだ。

 10月13日のMGCプレスカンファレンスにキャップをかぶって登壇した大迫は、いつも通りにクールだった。今大会の抱負については「100%出し切る」と書き込んだボードを掲げて、レースではここを見てほしいという質問には、「レース運び」と書いた。

 トレーニングに関しても「いつも通り」を貫いたという。しかし、今回のマラソン練習はフラッグスタッフで単独で行なった。

「MGCというよりは、なぜ自分がマラソンを走るのか。この3カ月間、ひとりでしっかりと(自分自身と)対話をしながらやってきたんです。誰かと競い合ったり、自分の思いを走りで表現するのが好きなんだなと気づくことができました。それが明後日(15日)の勝負で生きるかどうかは分からないですけど、ひとつの過程、モチベーションとしては良かったかなと思います」
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ハードな練習を”ひとり”でやり切り自信「ベストな状態で臨みたい」