10月15日、3歳牝馬のクラシック最終戦・第28回秋華賞(GⅠ、京都・芝2000m)が行なわれ、単勝オッズ1.1倍の圧倒的1番人気に推されたリバティアイランド(栗東・中内田充正厩舎)が快勝。史上7頭目の牝馬三冠制覇を達成した。
2着にはトライアルのローズステークス(GⅡ、阪神・芝1800m)を圧勝して臨んだ3番人気のマスクトディーヴァ(栗東・辻野泰之厩舎)が突っ込み、3着にはオークス(GⅠ、東京・芝2400m)で2着に入った実績を持つ2番人気のハーパー(栗東・友道康夫厩舎)が粘り込んだ。
前日の夜から当日の早朝まで降った雨のため「重」で始まった京都競馬は、その後の晴天でかなり持ち直して、秋華賞の馬場状態は「稍重」。水はけの良さに定評がある京都競馬場だけに、特別なトラックバイアスが生じることはない良好なコンディションとなった。
リバティアイランドの馬体重は、本項のプレビューで記したように、放牧先で一時は520キロまで増えていたという。帰厩後、馬体は調教を積むにしたがって順調に引き締まっていき、JRA発表の調教後馬体重が490キロ。そのあともさらに絞れて当日の数字は476キロ、春からの成長分を考えれば、理想的なところまで仕上がっていると言える数字である。
そして、テレビモニターを通してではあるが、リバティアイランドの馬体や歩様を見て、筆者は驚いてしまった。明らかにオークスよりも二段も三段もスケールアップし、明らかに筋肉量が増えたことを示す張り詰めた馬体。そして、重厚でありながらスムーズさを失わない四肢の運びの素晴らしさ。そのとき思わず思い浮かべたのは、2007年の日本ダービーで64年ぶりの牝馬戴冠を果たしたウオッカが見せた驚異的なレベルに達した馬体と歩様だった。
レースの内容は、もうあらためて説明する必要はないだろう。3枠6番からすんなりとゲートを飛び出したリバティアイランドは、出たなりで馬群のなか、6~7番手に付ける。もともと前進気勢が強めの馬ではあるが、川田将雅騎手は前に馬を置きながら彼女をなだめながら慌てず騒がずレースを進めた。
そして、京都の芝2000m内回りコースの勝負どころ、第3コーナー過ぎから川田騎手によって位置を少し下げつつ馬群の外へ持ち出されたリバティアイランドは、他馬との脚力の違いで驚異的な伸びを見せて一気に並びかけ、直線へ向いた。
この段階で「勝負あった」と声をかけるべき。そんなレースだった。
瞬時にして前の2頭を飲み込んだリバティアイランドは、後続にぐんぐんと差を付けて勝利を確実なものにすると、後方から猛烈な末脚で追い込んだマスクトディーヴァに1馬身差をつけて、トリプルクラウンのゴールを余裕の手応えで駆け抜ける見事な完勝劇だった。
さらには、検量室の手前まで戻ってきた段階では息が戻って、ケロッとした表情をしていたことに驚かされた。おそらく桁外れの心肺機能の持ち主でもあるのだろう。
2着にはトライアルのローズステークス(GⅡ、阪神・芝1800m)を圧勝して臨んだ3番人気のマスクトディーヴァ(栗東・辻野泰之厩舎)が突っ込み、3着にはオークス(GⅠ、東京・芝2400m)で2着に入った実績を持つ2番人気のハーパー(栗東・友道康夫厩舎)が粘り込んだ。
前日の夜から当日の早朝まで降った雨のため「重」で始まった京都競馬は、その後の晴天でかなり持ち直して、秋華賞の馬場状態は「稍重」。水はけの良さに定評がある京都競馬場だけに、特別なトラックバイアスが生じることはない良好なコンディションとなった。
リバティアイランドの馬体重は、本項のプレビューで記したように、放牧先で一時は520キロまで増えていたという。帰厩後、馬体は調教を積むにしたがって順調に引き締まっていき、JRA発表の調教後馬体重が490キロ。そのあともさらに絞れて当日の数字は476キロ、春からの成長分を考えれば、理想的なところまで仕上がっていると言える数字である。
そして、テレビモニターを通してではあるが、リバティアイランドの馬体や歩様を見て、筆者は驚いてしまった。明らかにオークスよりも二段も三段もスケールアップし、明らかに筋肉量が増えたことを示す張り詰めた馬体。そして、重厚でありながらスムーズさを失わない四肢の運びの素晴らしさ。そのとき思わず思い浮かべたのは、2007年の日本ダービーで64年ぶりの牝馬戴冠を果たしたウオッカが見せた驚異的なレベルに達した馬体と歩様だった。
レースの内容は、もうあらためて説明する必要はないだろう。3枠6番からすんなりとゲートを飛び出したリバティアイランドは、出たなりで馬群のなか、6~7番手に付ける。もともと前進気勢が強めの馬ではあるが、川田将雅騎手は前に馬を置きながら彼女をなだめながら慌てず騒がずレースを進めた。
そして、京都の芝2000m内回りコースの勝負どころ、第3コーナー過ぎから川田騎手によって位置を少し下げつつ馬群の外へ持ち出されたリバティアイランドは、他馬との脚力の違いで驚異的な伸びを見せて一気に並びかけ、直線へ向いた。
この段階で「勝負あった」と声をかけるべき。そんなレースだった。
瞬時にして前の2頭を飲み込んだリバティアイランドは、後続にぐんぐんと差を付けて勝利を確実なものにすると、後方から猛烈な末脚で追い込んだマスクトディーヴァに1馬身差をつけて、トリプルクラウンのゴールを余裕の手応えで駆け抜ける見事な完勝劇だった。
さらには、検量室の手前まで戻ってきた段階では息が戻って、ケロッとした表情をしていたことに驚かされた。おそらく桁外れの心肺機能の持ち主でもあるのだろう。