リバティアイランドの父ドゥラメンテは種牡馬としてわずか5世代の産駒しか残せずに早世したが、初年度からタイトルホルダー(菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念)を、2年目の産駒からスターズオンアース(桜花賞、オークス)、3世代目にリバティアイランドとドゥラエレーデ(ホープフルステークス)を輩出。スーパーサイアーの座は確実なものだっただけに、つくづくその早すぎる死が惜しまれる。
そして見逃せないのは、豪州で活躍した母ヤンキーローズの存在だ。2015-16シーズンには芝1400mのGⅠを買って最優秀2歳に選出され、翌シーズンも好レースを重ねながら芝2000mのGⅠを勝っている。トップオブトップとは言えないにしても、名牝の1頭であるのは確かだろう。
常にワールドワイドな視点から、さまざまな血統を持つ牝馬を繁殖用に輸入し、更新し続けているのも社台グループの強さのひとつだろう。ヤンキーローズはノーザンレーシングが購入して、ノーザンファームで繁殖入り。初仔のロムネヤ(牝4歳、父ディープインパクト)はセレクトセール当歳セッションで金子真人ホールディングスが2億1000万(税別)で落札したほどの素晴らしさだったが、現時点ではまだ2勝しか挙げられていない。
そして2番仔がリバティアイランドで、サンデーレーシングによって1口100万円×40口の4000万円で募集されたもの。下世話ではあるが、ここまでの彼女の獲得賞金はすでに5億4333万円に達している。ちなみに3番仔(牡)の父はロードカナロアで、こちらはセレクトセールの当歳セッションでダノックスが3億7000万(税別)で落札。すでに「ダノンモンブラン」という名前が決まっている。
馬主リーディング首位のサンデーレーシングが所有する種牡馬リーディングで2位のドゥラメンテ産駒の希有な牝馬を、リーディングブリーダーのノーザンファームが生産・育成。調教師リーディングトレーナー2位(勝率、連対率、複勝率は1位)の中内田調教師が手掛け、リーディングトップの川田騎手が手綱をとる。こうしてみると、リバティアイランドは日本競馬の現在を象徴するような存在(=アイコン)とも言える。
次走は関係者で協議して決定とのことだが、できることなら天皇賞・秋(GⅠ、東京・芝2000m)に出走予定のイクイノックス(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)との、世紀の対決が見てみたいというのは、筆者だけの願望ではないだろう。
さて他馬に目を向けると、3着のハーパーに2馬身半差を付け、リバティアイランドに1馬身差まで迫る快走を見せたマスクトディーヴァが注目に値する馬だと言わざるを得ない。
ローズステークスを快勝したマスクトディーヴァは、その走破タイムが1分43秒0という驚異的なレコードを叩き出したことからポテンシャルの高さは実証済みだったものの、近年の秋華賞で同レースをステップにした馬たちが凡走する例が多く、加えてレコードタイムで走った反動を気にして、筆者もやや軽視したのは確かだ。
しかし、直線で前が詰まって進路を探すロスがありながら、ラスト3ハロン33秒5という最速の上がりでコンマ1秒差まで迫った鬼脚は驚異のひと言。しかも、秋華賞でまだキャリア5戦という伸びしろの大きさも非常に魅力的だ。こちらも次走はもちろん、来年以降の動向もしっかりマークしていきたい。
文●三好達彦
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そして見逃せないのは、豪州で活躍した母ヤンキーローズの存在だ。2015-16シーズンには芝1400mのGⅠを買って最優秀2歳に選出され、翌シーズンも好レースを重ねながら芝2000mのGⅠを勝っている。トップオブトップとは言えないにしても、名牝の1頭であるのは確かだろう。
常にワールドワイドな視点から、さまざまな血統を持つ牝馬を繁殖用に輸入し、更新し続けているのも社台グループの強さのひとつだろう。ヤンキーローズはノーザンレーシングが購入して、ノーザンファームで繁殖入り。初仔のロムネヤ(牝4歳、父ディープインパクト)はセレクトセール当歳セッションで金子真人ホールディングスが2億1000万(税別)で落札したほどの素晴らしさだったが、現時点ではまだ2勝しか挙げられていない。
そして2番仔がリバティアイランドで、サンデーレーシングによって1口100万円×40口の4000万円で募集されたもの。下世話ではあるが、ここまでの彼女の獲得賞金はすでに5億4333万円に達している。ちなみに3番仔(牡)の父はロードカナロアで、こちらはセレクトセールの当歳セッションでダノックスが3億7000万(税別)で落札。すでに「ダノンモンブラン」という名前が決まっている。
馬主リーディング首位のサンデーレーシングが所有する種牡馬リーディングで2位のドゥラメンテ産駒の希有な牝馬を、リーディングブリーダーのノーザンファームが生産・育成。調教師リーディングトレーナー2位(勝率、連対率、複勝率は1位)の中内田調教師が手掛け、リーディングトップの川田騎手が手綱をとる。こうしてみると、リバティアイランドは日本競馬の現在を象徴するような存在(=アイコン)とも言える。
次走は関係者で協議して決定とのことだが、できることなら天皇賞・秋(GⅠ、東京・芝2000m)に出走予定のイクイノックス(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)との、世紀の対決が見てみたいというのは、筆者だけの願望ではないだろう。
さて他馬に目を向けると、3着のハーパーに2馬身半差を付け、リバティアイランドに1馬身差まで迫る快走を見せたマスクトディーヴァが注目に値する馬だと言わざるを得ない。
ローズステークスを快勝したマスクトディーヴァは、その走破タイムが1分43秒0という驚異的なレコードを叩き出したことからポテンシャルの高さは実証済みだったものの、近年の秋華賞で同レースをステップにした馬たちが凡走する例が多く、加えてレコードタイムで走った反動を気にして、筆者もやや軽視したのは確かだ。
しかし、直線で前が詰まって進路を探すロスがありながら、ラスト3ハロン33秒5という最速の上がりでコンマ1秒差まで迫った鬼脚は驚異のひと言。しかも、秋華賞でまだキャリア5戦という伸びしろの大きさも非常に魅力的だ。こちらも次走はもちろん、来年以降の動向もしっかりマークしていきたい。
文●三好達彦
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