マラソン・駅伝

「尊敬している先輩が…」ずぶ濡れのまま待つ3位・大迫傑の”後ろ姿”に反響止まず! 後輩はインスタに感謝綴る「悔しいはずなのに嬉しかった」【MGC】

THE DIGEST編集部

2023.10.17

3位でフィニッシュした大迫(手前)は雨のなか、後輩がフィニッシュするまでゴール手前で待った。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 ずぶ濡れになりながら後輩の力走を労う姿に賛辞が止まない。

 10月15日、パリ五輪の日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が国立競技場発着のコースで行なわれ、男子は小山直城(Honda)が2時間8分57秒で初優勝。2位には赤﨑暁(九電工)が2時間9分6秒で入り、上位2名がオリンピック出場権を獲得した。有力候補のひとりだった東京五輪6位の大迫傑(Nike)は3位で、惜しくも五輪切符を逃す結果になった。

 わずか5秒差で、出場権に手が届かなかった大迫。ところが、ゴール後に見せた何気ない振る舞いが多くの称賛を浴びている。

 ゴールテープを切った後、大迫は冷たい雨が降り注ぐなかトラック内にしばらく残り、なかなか引き揚げようとしなかった。まるで誰かを待つように――。

 そして44位(2時間16分51秒)でゴールした高田康暉を迎えると、大迫は背中にタオルをかけて五輪切符を一緒に争った仲間を労った。

 ゴールした高田は大迫と同じ早稲田大学競走部出身。大迫が4年時に第90回箱根駅伝で1区を走り、母校の襷をつないだのが2年生だった高田だった。彼自身もこのときは区間賞を獲得する力走を見せて、早大の総合4位に貢献した。
 
 高田はレース後、インスタグラムを更新。ゴール直後、先輩である大迫からタオルをかけられた一枚の写真を添えて「MGC 44位 2時間16分51秒」と記し、続けて次のように文面を綴る。

「4年前、沿道で大迫さんの応援をして絶対ここで勝負したいと出場した今大会。悔しいし、苦しかった。けれど今の力の全てでした」

「ゴールして尊敬している先輩がずっと待ってくださってて悔しいはずなのにとても嬉しかった。最高の42.195kでした。多くの応援ありがとうございました」

 投稿したコメント欄には二人の熱い絆にユーザーから「大迫傑の後ろ姿に泣いた。」「先輩からの最高のサプライズ!!」「カッコよかった!ナイスラン!」「お二方の関係性が素敵」など、多くの喝采が送られ、その反響はいまだ止んでいない。

 130回目のマラソンに臨んだ川内優輝(AD損保)の大逃げ劇場、日本記録保持者・鈴木健吾(富士通)の途中棄権など、エピソードに事欠かせなかった今年の代表選考会。そのなかでも、32歳のオリンピアンが大学の後輩に見せた振る舞いは至極のワンシーンだと言っても過言ではない。

構成●THE DIGEST編集部

【画像】雨のなか、"後輩"高田康暉を労う大迫傑

【動画】パリ五輪代表を懸けた一発勝負!MGCの激走をプレイバック

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