10月22日、3歳牡馬のクラシック三冠目・菊花賞(GⅠ、京都・芝3000m)が行なわれる。
改修工事を終えた京都競馬場へと3年ぶりに舞台が戻るのは感慨深い。また皐月賞馬とダービー馬が揃う菊花賞は、エアシャカールが優勝した2000年以来、実に23年ぶりのこと。これもファンならずとも、嬉しい材料と言っていいだろう。
レース前日14時時点での1番人気は皐月賞馬のソールオリエンス(美浦・手塚貴久厩舎)、2番人気がダービー馬のタスティエーラ(美浦・堀宣行厩舎)、3番人気がトライアルの神戸新聞杯(GⅡ)を快勝したサトノグランツ(栗東・友道康夫厩舎)、4番人気がデビュー2戦目から4連勝で出走に漕ぎつけた素質馬ドゥレッツァ(美浦・尾関知人厩舎)。ここまでがオッズ10倍を切っており、5番人気は日本ダービーで3着に食い込んだハーツコンチェルト(美浦・武井亮厩舎)が11倍前後で続いている。
現状のオッズだけを見ると、ソールオリエンスがタスティエーラを抑えて一歩抜け出した感がある。しかし日本ダービーを制したタスティエーラから、2着のソールオリエンス、3着のハーツコンチェルト、4着のベラジオオペラまでが同タイムの大接戦となったように、上位人気馬の実力は伯仲している。
なおかつ、走破タイムはリバティアイランドが同距離のオークス(GⅠ)で計時した2分23秒1と比べて2秒1も劣る凡庸なもの。レースの展開ひとつで結果がガラリと変わる、極めて脆弱なエビデンスに過ぎないと筆者は考えている。
春のクラシックを制した駿馬2頭をリスペクトしつつも、本稿ではあえて前哨戦を勝って勢いに乗るサトノグランツを主軸として考えたい。
サトノグランツは初勝利を挙げるまでに3戦かかったものの、その後は1勝クラスのゆきやなぎ賞を快勝した勢いを駆って臨んだ京都新聞杯を制し、大一番の日本ダービーへと駒を進めた。
残念ながらスローペースや前走とのレース間隔が詰まった影響などもあって11着に終わったが、終いの3ハロンは18頭中2位タイとなる33秒1の豪脚を繰り出した。レース後、手綱をとった川田将雅騎手は「今回は結果が出なかったが、秋が楽しみになるレースだった」とコメント。潜在能力の開花は秋以降だと見通しを立てていた。
その後、放牧休養を経てじっくりと乗り込み、秋の始動戦に選んだ神戸新聞杯では後方を進み、エンジンがかかるまでの反応にやや時間を要したが、またも上がり3ハロンで33秒1という末脚が爆発。粘り込もうとしていたサヴォーナ(栗東・中竹和也厩舎)をアタマ差交わして重賞2勝目を挙げた。走破タイムの2分23秒5は、阪神の芝2400mのレコードを叩き出す文句ない勝ち方だった。
追い切り後の共同会見で友道調教師は、「幸いにしてレコードで走ったダメージはなく、追い切りもいつものパターンである3頭併せでできました」と語り、「数字(馬体重)は春とあまり変わりませんが、筋肉の付き方が良くなったし、跨っている調教助手も騎手も『馬がしっかりしている』と言っています」ともコメントしており、状態の良さを窺わせる。
父のサトノダイヤモンドはディープインパクトの直仔で、2016年に菊花賞を圧勝。次走の有馬記念(GⅠ)もキタサンブラックら格上の古馬勢を抑えて頂点に立っている。父から受け継いだ3000mを克服するスタミナと、無敗の三冠馬である祖父譲りの終いの切れを併せ持つサトノグランツ。GⅠレースの勝ち方を知る友道調教師、川田騎手のタッグは混戦になるほど大きな後押しになるはずだ。
改修工事を終えた京都競馬場へと3年ぶりに舞台が戻るのは感慨深い。また皐月賞馬とダービー馬が揃う菊花賞は、エアシャカールが優勝した2000年以来、実に23年ぶりのこと。これもファンならずとも、嬉しい材料と言っていいだろう。
レース前日14時時点での1番人気は皐月賞馬のソールオリエンス(美浦・手塚貴久厩舎)、2番人気がダービー馬のタスティエーラ(美浦・堀宣行厩舎)、3番人気がトライアルの神戸新聞杯(GⅡ)を快勝したサトノグランツ(栗東・友道康夫厩舎)、4番人気がデビュー2戦目から4連勝で出走に漕ぎつけた素質馬ドゥレッツァ(美浦・尾関知人厩舎)。ここまでがオッズ10倍を切っており、5番人気は日本ダービーで3着に食い込んだハーツコンチェルト(美浦・武井亮厩舎)が11倍前後で続いている。
現状のオッズだけを見ると、ソールオリエンスがタスティエーラを抑えて一歩抜け出した感がある。しかし日本ダービーを制したタスティエーラから、2着のソールオリエンス、3着のハーツコンチェルト、4着のベラジオオペラまでが同タイムの大接戦となったように、上位人気馬の実力は伯仲している。
なおかつ、走破タイムはリバティアイランドが同距離のオークス(GⅠ)で計時した2分23秒1と比べて2秒1も劣る凡庸なもの。レースの展開ひとつで結果がガラリと変わる、極めて脆弱なエビデンスに過ぎないと筆者は考えている。
春のクラシックを制した駿馬2頭をリスペクトしつつも、本稿ではあえて前哨戦を勝って勢いに乗るサトノグランツを主軸として考えたい。
サトノグランツは初勝利を挙げるまでに3戦かかったものの、その後は1勝クラスのゆきやなぎ賞を快勝した勢いを駆って臨んだ京都新聞杯を制し、大一番の日本ダービーへと駒を進めた。
残念ながらスローペースや前走とのレース間隔が詰まった影響などもあって11着に終わったが、終いの3ハロンは18頭中2位タイとなる33秒1の豪脚を繰り出した。レース後、手綱をとった川田将雅騎手は「今回は結果が出なかったが、秋が楽しみになるレースだった」とコメント。潜在能力の開花は秋以降だと見通しを立てていた。
その後、放牧休養を経てじっくりと乗り込み、秋の始動戦に選んだ神戸新聞杯では後方を進み、エンジンがかかるまでの反応にやや時間を要したが、またも上がり3ハロンで33秒1という末脚が爆発。粘り込もうとしていたサヴォーナ(栗東・中竹和也厩舎)をアタマ差交わして重賞2勝目を挙げた。走破タイムの2分23秒5は、阪神の芝2400mのレコードを叩き出す文句ない勝ち方だった。
追い切り後の共同会見で友道調教師は、「幸いにしてレコードで走ったダメージはなく、追い切りもいつものパターンである3頭併せでできました」と語り、「数字(馬体重)は春とあまり変わりませんが、筋肉の付き方が良くなったし、跨っている調教助手も騎手も『馬がしっかりしている』と言っています」ともコメントしており、状態の良さを窺わせる。
父のサトノダイヤモンドはディープインパクトの直仔で、2016年に菊花賞を圧勝。次走の有馬記念(GⅠ)もキタサンブラックら格上の古馬勢を抑えて頂点に立っている。父から受け継いだ3000mを克服するスタミナと、無敗の三冠馬である祖父譲りの終いの切れを併せ持つサトノグランツ。GⅠレースの勝ち方を知る友道調教師、川田騎手のタッグは混戦になるほど大きな後押しになるはずだ。