その他

「男子を上回るペース!」女子20km競歩の世界新が“距離測定ミス”発覚で取り消し! 選手は競技中に異変を察知「何か変だな」

THE DIGEST編集部

2023.10.31

『パンアメリカン競技大会』で20キロ競歩を制したキンバリー・ガルシア。(C)Getty Images

 10月29日、チリのサンティアゴで行なわれている『パンアメリカン競技大会』の陸上女子20キロ競歩で、キンバリー・ガルシア(ペルー)が、従来の世界記録を11分23秒更新したものの、距離測定に誤りがあり約17キロであったことが発覚。"世界最速"の称号は取り消された。

 昨年の世界選手権オレゴン大会で20キロと35キロ2冠女王の優勝タイムは、1時間12分26秒。楊家玉(中国)が2021年に樹立した1時間23分49秒を大幅に上回るだけでなく、男子の世界記録(1時間16分36秒)をも越える異常タイムだった。

 大会側のミスで起きた同一件は、各国メディアによって報じられている。英紙『The Guardian』によれば、同大会を制したガルシアは、「最初の1キロでタイムと距離が一致せず、おかしいと思った。それでも気持ちをうまくコントロールし、レースに集中することが重要だった」と話したうえで、「天候やすべてのタイミングが揃っていたから、世界記録を実現することが出来なかったのは残念だ」と嘆いた。
 
 4位入賞したブラジルのヴィヴィアン・ライラも、「最初の1周でペースを上手く掴むはずなのに、あまりにもタイムが速く、男子を上回るペースだった。その時点で何か変だなと感じており、タイムを気にせずゴールだけを目指した」と、こちらも距離の異変に気づいていたようだ。

 専門家であるマルセロ・イトゥラルデ氏に距離計測を委任していたようで、大会主催者側は「彼は選手たちが使用するルートを正確に計測していなかったようだ。選手、コーチ、関係者、報道の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げますが、このような事態は組織委員会の責任ではありません」と謝罪している。

 競技後にまさかの事実が発覚した今大会。選手のためにも、同じ過ちは二度と繰り返されないように対策を講じるべきだ。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】意識朦朧のアクシデント選手が"回復した姿"を見せる!大阪芸術大の主将は「富士山でリベンジ」を誓う!【全日本大学女子駅伝】

【関連記事】「強制的に止めないと!」意識朦朧のアクシデントも襷リレーした大阪芸術大に賛否両論!「号泣なんだけど」

【関連記事】「美談で済まされる問題じゃない!」松田瑞生のマラソン完走を称える声に新谷仁美が苦言! 「周囲がそれを良しとするのは違う!」【世界陸上】