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ディープインパクトでもオルフェーヴルでもない...「日本競馬の史上最強馬」はイクイノックスだ!【天皇賞(秋)】

三好達彦

2023.10.31

驚異の世界レコードで天皇賞(秋)を連覇したイクイノックス。圧巻の強さを見せつけた。写真:産経新聞社

驚異の世界レコードで天皇賞(秋)を連覇したイクイノックス。圧巻の強さを見せつけた。写真:産経新聞社

 10月29日(日)、秋の中距離王を決める第168回 天皇賞(秋)(GⅠ、東京・芝2000m)が天皇・皇后両陛下ご臨席のもとで行われ、圧倒的1番人気に支持されたイクイノックス(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)が圧勝。昨年に続いて本レースの連覇を達成するとともに、海外も含めGⅠレース5連勝を飾った。

 2着には6番人気ジャスティンパレス(牡4歳/栗東・杉山晴紀厩舎)が追い込み、3着には3番人気のプログノーシス(牡5歳/栗東・中内田充正厩舎)が入った。

【動画】イクイノックスが驚異の世界レコードをマーク! 天皇賞(秋)を振り返る
 一方、2番人気のドウデュース(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)は、騎乗予定だった武豊騎手が午前中のレース後に怪我を負ったため、メインレースでの騎乗をキャンセル。急きょ戸崎圭太騎手に乗り替わっての参戦となったが、終いの伸びを欠いて7着に敗れた。

 現役の世界No,1ホースがその能力を如何なく発揮して、圧勝のゴールを駆け抜けたあと、「レコード」という赤い文字とともに表示された走破タイムが示された。
「1分55秒2」

 見間違いではないかと再度確認したが、それは筆者の目の狂いではなく、その驚愕の数字をはっきりと表示していた。これは従来のレコードを一気に0秒9も更新するJRAレコードであり、同時に世界レコードでもあった。

 掲示板の走破タイムを見ながらも、これが本当に現実なのかどうか、頭のなかが混乱するような経験が筆者にはある。ニュージーランドのホーリックスとオグリキャップの激闘で知られる1989年のジャパンカップでのことである。

 このときの優勝タイムは「2分22秒2」と、従来のJRAレコード「2分24秒9」を一気に2秒以上更新するとともに、このレースにも参戦したアメリカのホークスターが持つ「2分22秒8」の記録を破るワールドレコードだったのだ。

(ちなみに”驚異的なレコードタイム”といえば、クロフネが2001年のジャパンカップダート(東京・ダート2100m)で記録した「2分05秒9」という優勝タイムも、従来の記録を1秒3更新するという凄まじいレースだった)

 恐るべきレコードタイムに頭のなかに刻まれていた”常識”をかき乱され、数分してやっと我に返った筆者は、そのときも、そして今年も「えらいものを見てしまった」という感嘆の情に襲われた。
 
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