日本最強馬が見せた衝撃は、国内だけにとどまらない。

　10月29日、東京競馬場で開催された天皇賞（秋）。単勝１番人気に支持されたイクイノックス（牡４歳／美浦・木村哲也厩舎）が好位置から府中の長い直線を抜け出し、２馬身半差をつけて完勝。従来のレコードタイムを一気に０秒９も縮める１分55秒２の驚愕タイムを叩き出し、２連覇を達成した。

　タイム、レース内容ともに他馬を圧倒する姿に海外メディアも衝撃を受けている。世界中の競馬情報を配信している専門サイト『Thoroughbred Racing Commentary（通称「TRC」）』は「彼は完璧な馬だ！」と見出しを打ち、無類の強さに脱帽した。

　記事内では「日本のスーパースター、イクイノックスがコースレコードを更新する完璧なパフォーマンスで連覇を飾り、世界ナンバー１の競走馬の地位を確かなものにした」と絶賛の言葉を綴っている。

　力でねじ伏せた見事なレースには「力強いペースから３番手につけ、直線ではスムーズに主導権を握ったという、シンプルさの完勝劇だった」と振り返っており、「イクイノックスは汗をかくこともなく、ほとんど押し出されることもなかったが、それでもコースレコードを0.9秒も更新する１分55秒２のタイムをマークした」と無敵の強さに感服。

　さらに記事には、デビューから９戦すべて手綱を握っているクリストフ・ルメール騎手の勝利コメントも掲載。「イクイノックスはすべてを兼ね備えており、世界最高の馬です。事前に彼の能力を知っていたので自信はありました。最後まですごく速いし、スタミナもある」と愛馬の能力を称えると、「本当に完璧な馬だ」と絶賛の言葉を贈った。
  　イクイノックスはこれで海外を含めてGⅠ連勝記録を「５」に伸ばした。TRCは今年３月から同サイトが作成する独自の競馬ランキングトップに立っていることを言及したうえで、「2014年に競走馬ランキングの集計を開始して以来、同ランク首位に立った23頭目のサラブレッドだ」と強調。「歴代でも屈指の名馬だ」と断言している。

　同じく海外競馬専門サイト『World Horse Racing』の公式X（旧ツイッター）にもイクイノックスの優勝レースが共有されるほど、その存在感は世界のホースマンに轟き、４歳の青鹿毛馬に連日熱い視線が注がれている。

　次走は11月26日のジャパンカップ（GⅠ、東京・芝2400メートル）が予定されており、今年牝馬３冠を達成したリバティアイランド（牝３歳／栗東・中内田充正厩舎）と世紀の対戦が期待されるイクイノックス。日本が生んだ世界ナンバー１ホースの動向から、ますます目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】驚異のレコードを叩き出した”現役最強馬”イクイノックスの天皇賞(秋)をプレイバック！

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