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格闘技・プロレス

「最終目標は五輪4連覇」前人未到の領域へ、阿部一二三がこだわる“投げて勝つ”への想い「見ている人がワクワクする柔道をしたい」

真鍋杏奈

2023.11.14

妹・詩とともに史上最速で内定を勝ち取った阿部一二三。来年のパリ五輪ではどのような柔道をみせるだろうか。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

妹・詩とともに史上最速で内定を勝ち取った阿部一二三。来年のパリ五輪ではどのような柔道をみせるだろうか。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

真鍋杏奈が聞くパリ五輪への決意 Vol.1 柔道・阿部一二三<後編>

 東京2020の興奮から2年。パリオリンピックの開幕まで、早くも10か月を切ろうとしている。個人種目では熾烈な選考レースを勝ち抜いた選手たちが出場内定を掴み、また団体種目では代表チームが予選を勝ち抜き、本大会への出場権を勝ち取っている。本番を翌年に控え、代表の座を掴んだ選手たちに大舞台への意気込みを訊く。今回は、日本柔道では最速で五輪内定を掴んだ阿部一二三へのインタビュー後編だ。
(取材・文=真鍋杏奈/フリーアナウンサー)

――◆――◆――
【PHOTO】東京オリンピックで輝いた「日本人メダリスト」を一挙紹介!
――パリ五輪について伺います。パリ五輪まで約8か月となりました。今の心境はいかがですか。
阿部 早いなとは思いますね。東京五輪が終わって、本当は4年あるはずが、五輪開催の1年延期でパリまで3年しかなくて、本当に早いなっていうのが一番。でも、早いとは思うんですけど、そんなに期間が空かなかったからこそ、ここまでモチベーションが維持できているし、練習も積めていると思うので、パリに向けてやるしかないと思っています。

――今はどんなことに取り組まれていますか?
阿部 “投げ”が自分の中でメインになるので、どうしたら一本とれるかということを考えています。あと8か月しかない中で、新しいことを取り入れたり、新しい技を覚えたりするのは難しいので、“自分の柔道”を研ぎ澄ましていって、パリを迎える意識で取り組んでいます。

―パリ五輪までにいくつか大会に出場されると思いますが、直近ですと12月に東京でグランドスラムがあります。
阿部 僕が日本で試合をする機会は少なく、五輪前に日本の方に日本で戦っている姿をお見せするのは最後になると思うので、“自分の柔道”を見せたいと思っています。しっかりここで勝ちきって、「阿部一二三、強いな」というところを証明したいです。

――東京五輪は無観客でしたので、たくさんの方が阿部選手に注目して観に来られると思います。
阿部 日本の方が“阿部一二三”だったら、パリ五輪でも絶対金メダル獲れると思ってもらえるような試合をしたいと思います。

――観客がいるといないとでは、気持ちの高ぶりは全然違いますか?
阿部 観客がいると気持ちが掻き立てられるものがあります。気合いが入るし、興奮もするし、気持ちがすごく盛り上がります。でも、興奮しすぎてもダメっていうのはあると思うので、そこはしっかり落ち着いて、試合に臨みたいと思います。

――やはり声援は後押しになる?
阿部 声援はパワーになるし、気合いが入ります。ただ、空回りしないように意識もしています。東京五輪の舞台でそういうお客さんの声援や応援を感じたかったし、たくさんの人の前で優勝している姿を見せたかったんですが、できなかったのでパリでそういう姿を見せられたらいいかな。

――連覇へのプレッシャーというのはありますか?
阿部 プレッシャーがあるにはあるんですけど、プレッシャーがあるのは当たり前のことなので。しっかり自分の中で受け止められているので、そこまで重圧を感じたりはしないと思うんですけど。
 東京五輪は無観客でしたが、パリ五輪は観客がたくさん入るという点では全く別の大会になると思うので、その雰囲気に呑みこまれないようにしたいと思います。

――阿部選手は緊張される方ですか?
阿部 緊張はします。でも、やっぱり畳の上に立つと緊張がなくなる。畳の上に立つまでは緊張しますね。

――試合前にされているルーティン等はありますか?
阿部 特にありませんが、緊張も大事なので、緊張感をマイナスではなくプラスに捉えるようにしています。緊張を楽しむ、とまでは言えないですけど、自分の中でしっかり受け止めて、試合に臨んでいる感覚ですね。
 
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