20歳の若武者が、大舞台の雰囲気に飲み込まれた。
来年3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)代表選考会を兼ねた全日本選手権が12月21日に長野市・ビッグハットで開幕した。首位発進を決めたのは世界王者の宇野昌磨で104.69点。一方、北京五輪銀メダリストの鍵山優真は4回転サルコウで転倒したのが響き、3位で23日のフリーに臨む。
今季の鍵山はNHK杯でショートの世界最高得点(当時)をマークし、初出場となったグランプリファイナルでは銅メダルを獲得。大きな飛躍を遂げた前半戦だったが、全日本特有のプレッシャーが20歳の大学生を襲った。
直前練習で着氷していた4回転サルコウで、鍵山はまさかの転倒。いきなり出鼻をくじいたが、2つ目の3回転ルッツ+3回転トウループの予定ジャンプを4回転+3回転の連続トウループに変更する見事な対応力でミスを挽回してみせた。
後半は安定し、スピンはすべて最高評価のレベル4を獲得。93.94点で3位につけたが、やはり冒頭の失敗を悔いて演技後は思わず天をあおいだ。
開口一番「全日本特有の雰囲気だったり、緊張感っていうものをすごく感じて会場に入った」と振り返り、「もう本当にひたすら悔しい」と本音を吐露した。
転倒した場面については、「6分間練習の動きは悪くなかったですけど、自分の準備をしている間に『なんか始まるんだ』って思いがあって。気付いたら(演技冒頭の)ポーズに立っていて、気付いたらサルコウを失敗していた」と語り、試合の雰囲気にうまく入りきれなかったと反省を口にした。
だが一方で、収穫も口にする。「今年のグランプリシリーズとは別の雰囲気があるので、言葉では言い表せないですけど、日本一を争う場でみんなが調子を上げてここに臨んでいるので、僕もしっかりと一緒に気持ちを高めて。今日はいい部分だとしっかり気持ちを高めていけたのが、ひとついいところかな」と語り、23日のフリーに向けて気持ちを引き締めた。
トップの宇野とは10.75点差。「いろんな緊張感を乗り越えてきたので、この全日本も乗り越えられない試合ではないと思っている。自分のやることにしっかりと集中して、一発一発大切にこなしていけたら」と静かに闘志を燃やし、ここから逆転を狙う。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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直前練習で着氷していた4回転サルコウで、鍵山はまさかの転倒。いきなり出鼻をくじいたが、2つ目の3回転ルッツ+3回転トウループの予定ジャンプを4回転+3回転の連続トウループに変更する見事な対応力でミスを挽回してみせた。
後半は安定し、スピンはすべて最高評価のレベル4を獲得。93.94点で3位につけたが、やはり冒頭の失敗を悔いて演技後は思わず天をあおいだ。
開口一番「全日本特有の雰囲気だったり、緊張感っていうものをすごく感じて会場に入った」と振り返り、「もう本当にひたすら悔しい」と本音を吐露した。
転倒した場面については、「6分間練習の動きは悪くなかったですけど、自分の準備をしている間に『なんか始まるんだ』って思いがあって。気付いたら(演技冒頭の)ポーズに立っていて、気付いたらサルコウを失敗していた」と語り、試合の雰囲気にうまく入りきれなかったと反省を口にした。
だが一方で、収穫も口にする。「今年のグランプリシリーズとは別の雰囲気があるので、言葉では言い表せないですけど、日本一を争う場でみんなが調子を上げてここに臨んでいるので、僕もしっかりと一緒に気持ちを高めて。今日はいい部分だとしっかり気持ちを高めていけたのが、ひとついいところかな」と語り、23日のフリーに向けて気持ちを引き締めた。
トップの宇野とは10.75点差。「いろんな緊張感を乗り越えてきたので、この全日本も乗り越えられない試合ではないと思っている。自分のやることにしっかりと集中して、一発一発大切にこなしていけたら」と静かに闘志を燃やし、ここから逆転を狙う。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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