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フィギュア

今大会最年少”13歳”上薗恋奈は最終グループのトップバッター! 9年ぶり中学1年生での表彰台へ射程圏内【フィギュア全日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.12.24

13歳の上薗は最終グループで登場。初の表彰台を狙う。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

13歳の上薗は最終グループで登場。初の表彰台を狙う。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 成長著しい現役中学生が、シニア勢を圧倒している。

 フィギュアスケートの全日本選手権(長野市・ビッグハット)は大会4日目を迎えた。12月24日のクリスマスイブ決戦は、アイスダンスフリーダンスと女子フリースケーティングが行なわれる。

 群雄割拠の女子は大会3連覇を狙う坂本花織がショート首位発進。2位との差は約10点差で、一歩抜け出しつつあるが、油断はまだできない。

 すべてが決まる勝負のフリー。緊張感が高まるなか、最終グループの顔ぶれを見ると、まだ幼くあどけない表情を見せる選手がいる。今大会最年少の13歳・上薗恋奈だ。

 彼女は昨年の全日本ノービス女王で、今シーズンから戦いの舞台をジュニアに移した。すると、初参戦のジュニアグランプリ(GP)シリーズ初戦でいきなり表彰台。勢いは止まらず、2戦目には早くも初優勝を収めた。

 さらに、中国・北京で開催されたジュニアGPファイナルでも、上薗は安定した演技を披露。初出場ながら銅メダルを獲得し、大会連覇を飾った島田麻央と日本人ダブル表彰台という快挙を達成。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
 
 11月、初出場の全日本ジュニア選手権で3位となり、今大会は推薦枠として出場。歴戦のシニア勢と戦う大舞台でも臆することなく、その高い潜在能力を発揮している。中学生離れした大人びた表現力、安定感あるジャンプでショートはノーミス。結果、6位につけてオリンピアンの坂本や河辺愛菜、昨年のGPファイナル女王の三原舞依らと堂々最終グループに駒を進めた。

 ショート後は「順位とかはそんなに気にしていなくて、自分の演技ができたらいい」と話し、「上手な選手がたくさんいるので、すごくいい経験になる」と大舞台をむしろ楽しんでいる気配を窺わせた。

 朝の公式練習ではルッツ+トウループの連続3回転をはじめ、サルコウ、ルッツ、フリップなど単独の3回転ジャンプを確認。全体的にミスも少なく、勝負のフリーへ好調をキープしている。

 2位とは約3点差の僅差で表彰台を射程圏内に捉えている上薗。13歳での表彰台となれば、2014年の樋口新葉以来の快挙だ。ちなみに当時の会場も、同じビッグハットが舞台だった。

 現役中学年が日本女子フィギュア界の歴史に新たなページを刻むのか。上薗の滑走時間は午後8時23分の予定で、最終グループのトップバッターとして先陣を切る。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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