1月2、3日に開催された箱根駅伝で、青学大が10時間41分25秒の大会新記録で2年ぶりに王座奪還を果たした。大会前には"駒大1強"と言われていたが、蓋を開けてみれば6分36秒もの大差をつけられ駒大が完敗。
史上初となる"2年連続三冠"の称号を逃した駒大の藤田敦史監督は、「出雲、全日本と勝っていますので、決して私どものチームが弱いとは思っていません」と悔しさを滲ませながらも、敗因をこう分析する。
「箱根駅伝となると、20キロ以上の距離を10区間、つまり10人揃えなければいけない。我々も青山学院のように選手層をつくりこまないと。年間通してスタミナづくりをしないと、箱根で脆さが出てしまうと痛感した」
三本柱である篠原倖太朗、鈴木芽吹、佐藤圭汰を惜しみなく1、2、3区につぎ込み、"先行逃げ切り"を図った同大学。だが思うようにレースは運べなかった。1区の篠原が前半から飛ばしライバルを振るい落とすも、ラストで差を詰められてしまい青学大とは35秒差しか開かず。
2区の鈴木が後続を突き放しにかかるも、後半に青学大の黒田朝日の猛追をくらい22秒差に縮められた。学生最強とも称される佐藤は襷を受け取ると、勢いよく飛び出した。だがそれを上回るタイムで青学大の太田蒼生が走り出すと、7キロ過ぎに追いつかれた。その後は、抜きつ抜かれつを繰り返し、18キロ付近で佐藤は太田に置いていかれて2位に後退した。
藤田監督は「選手の状態は決して悪くなかった」と唇を噛み、「三本柱は八王子ロングディスタンスで(10000m)27分中盤で走りましたが、状態は非常に良かったし、十分に走ったと思う。今回の往路に関しては、もう相手を褒めるしかない。私どもは一生懸命やった。『相手が強かった』それに尽きると思います」と青学大を称えた。
その後、差は徐々に広がり、青学大の背中を捉えることはなかった。「三本柱を置いたのにアドバンテージがとれなかったという、チーム内の動揺がありました」と指揮官は明かしたうえで、「駅伝は流れがある。もし私どもの大学が先頭で往路をゴールしていれば、復路はまた流れが違ったでしょう。やはり原さんは経験豊富な監督さん。采配などで差が出てしまった」とお手上げの様子だ。
駅伝だけでなく、世界を目指しスピードも磨く駒大の選手たち。「世界を目指しながら箱根もって考え方で我々はやっている。色んな考え方があるとは思う。だけど選手たちは箱根が全てではない。スピードを磨くなかで、箱根も勝たせてあげるのが指導者の役割だと思っているので、その部分を私も色々学んでいかないといけない」と新たな課題を口にした。
就任1年目で初の挫折を味わった藤田監督。この屈辱をバネにまた強いチームを作り上げてくるだろう。
取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)
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藤田監督は「選手の状態は決して悪くなかった」と唇を噛み、「三本柱は八王子ロングディスタンスで(10000m)27分中盤で走りましたが、状態は非常に良かったし、十分に走ったと思う。今回の往路に関しては、もう相手を褒めるしかない。私どもは一生懸命やった。『相手が強かった』それに尽きると思います」と青学大を称えた。
その後、差は徐々に広がり、青学大の背中を捉えることはなかった。「三本柱を置いたのにアドバンテージがとれなかったという、チーム内の動揺がありました」と指揮官は明かしたうえで、「駅伝は流れがある。もし私どもの大学が先頭で往路をゴールしていれば、復路はまた流れが違ったでしょう。やはり原さんは経験豊富な監督さん。采配などで差が出てしまった」とお手上げの様子だ。
駅伝だけでなく、世界を目指しスピードも磨く駒大の選手たち。「世界を目指しながら箱根もって考え方で我々はやっている。色んな考え方があるとは思う。だけど選手たちは箱根が全てではない。スピードを磨くなかで、箱根も勝たせてあげるのが指導者の役割だと思っているので、その部分を私も色々学んでいかないといけない」と新たな課題を口にした。
就任1年目で初の挫折を味わった藤田監督。この屈辱をバネにまた強いチームを作り上げてくるだろう。
取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)
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