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バーレーンGPの角田裕毅に対する各国メディアの評価は? 順位入れ替えついては理解を示す一方で「冷静さの喪失は許されない」との指摘も

THE DIGEST編集部

2024.03.05

F1開幕戦のバーレーンGPを14位でフィニッシュした角田。(C)Getty Images

 ビザ・キャッシュアップRB(以下RB)の角田裕毅にとって、2024年F1開幕戦のバーレーン・グランプリは、後味の悪いものとなってしまった。

 予選では、10番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にわずか0.007秒届かずQ3進出を逃したものの、11番グリッドは入賞を十分可能にする位置であり、実際に決勝ではスタートで10番手に浮上し、その後のペースも悪くなかった。しかし、2度目のタイヤ交換の後で順位を落とし、終盤ではケビン・マグヌッセン(ハース)に肉薄するも攻めあぐねる状況で、背後にチームメイトのダニエル・リカルドが迫ってきた。

 ソフトタイヤのリカルドの方が、ハードタイヤの角田よりペースが良かったことで、チームはポジションの入れ替えを決定。しかし、リカルドのVCARB01もマグヌッセンをオーバーテイクすることはできないまま、リカルドが13位、角田は14位でレースを終えることになった。

 チームからの指示を受けた後の角田の反応、そしてレース後にリカルドを怒らせた「ダイブボム」については、各メディアが様々な見方を示しているが、決して悪くなかったパフォーマンスが、この一件によって薄れてしまったことは確かだろう。
 
 10点満点での採点と寸評を見てみると、英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』 は及第点の「6」を与え、「角田はチームの指示に反抗したが、その理由は簡単に理解できる。彼はマグヌッセンに対してDRS圏内にいたし、残り周回はわずかということで、リカルドとの入れ替えで順位が固定される可能性が高かった。そして、角田がルーキーイヤーに見せた気まぐれさや苛立ちが、とりわけレース後のインラップで一時的に再現された。彼は近い将来に、再びそれが起こらないことを望んでいるだろう」と、綴っている。

 同じく英国のモータースポーツ専門サイト『CRASH』は「7.5」と高採点としたものの、「バーレーンでポイント獲得の可能性があったはずだが、レース後半の2回目のピットストップが、角田をジョウ・グァンユ(ザウバー)とマグヌッセンの後ろに落としてしまった」と、角田のレースを決定づけた場面に言及した。

 一方、『MOTORSPORT WEEK』の採点は「6」で、「予選ではターン8の下り坂でミスをしてわずか0.007秒差でQ3進出を逃し、レースではリカルドに対してアドバンテージを最大限に活かしたものの、2度目のピットインで複数のライバルにアンダーカットされた」と、日本人ドライバーのレースを振り返った後、リカルドとの一件については以下のように指摘している。

「レース終盤にチームメイトを先に行かせるよう指示された時には緊張が高まったが、彼の不満は理解できるものだった。しかし、彼のリアクションは問題を引き起こした。クールダウンラップで怒りを露わにした際には、RB同士が接触寸前まで迫った。チーム内対決で負けられない両ドライバーではあるが、今はチームの再構築に助力する必要がある」
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「不必要な最後の騒動が、彼の評価を損なうことになってしまった」