2019年の名珍場面を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返るこの企画。今回は史上初の８強進出を果たしたラグビー日本代表の記事をお届けしよう。日本中を熱狂させた桜の戦士たちの活躍は、オールブラッグス主将の目にどう映っていたのか。今季からトヨタ自動車ヴェルブリッツでプレーすることになるキーラン・リードの言葉は……。
記事初掲載：2019年11月２日

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　オールブラックス（ニュージランド代表の愛称）の生ける伝説が、日本ラグビーと日本代表のポテンシャルに太鼓判を押した。

　金曜日ナイターで行なわれたラグビーワールドカップ３位決定戦で、ニュージーランドはウェールズと対戦し、40対17の快勝を収めた。終始優位に試合を進め、６トライを奪っての大差勝ち。前人未到のワールドカップ３連覇こそ逃したものの、この日も持ち前の創造性溢れるアタッキングスタイルを貫き、４大会ぶりの３位入賞で大会を終えた。

　スティーブ・ハンセンHCらとともに、この試合を最後に代表を引退するのが、ＮＯ８のキーラン・リード主将だ。キックオフ前のハカ「カ・マテ」では、過去６試合で先導を務めてきたＴＪ・ペレナラに代わって大役を担い、大観衆を大いに沸かせた。プレーでも持ち前の縦への推進力を攻守両面で発揮し、127試合目のメモリアルゲームで有終の美を飾った。

　試合後の記者会見では清々しい表情で、次のように想いを明かしている。

「素晴らしい試合だったね。とにかく一瞬一瞬に集中し、楽しんだよ。いろいろな感情は週の初めに出し切って、今日はプレーに集中した。とにかく良いプレーをして、この状況を楽しもうと思って臨んだが、その通りのことができたと思う。このチームでプレーできて楽しかったし、最後には家族もピッチに出てきて、特別な瞬間を分かち合えた。最高の気分さ。この思い出をずっと抱いていく。大会の痛手から立ち直るにはしばらくかかるだろうけど、良い思い出もできたし、今日のことは絶対に忘れないよ」

　そして開催国・日本について問われると、「本当に特別な思い出がたくさんできた、素晴らしい２か月になったよ。飛行機を降りた瞬間から、たくさんのサポートを受けてきた。最高だった」と感謝の意を示し、こう続けた。

「日本では、たくさんのファンがオールブラックスのジャージを買ってくれたようで、２度も売り切れたと聞いている。またこの国に来られることを楽しみにしているし、この国でラグビー人気が高まることを願っている。日本代表はこの大会で素晴らしい活躍を見せた。このまま頑張れば、きっと恐ろしいチームになると思うよ」
  　10月26日に34歳となったばかりのリードは、日本のトップリーグに属するトヨタ自動車ヴェルブリッツへの入団が決まっている。日本代表のFL姫野和樹らとチームメイトになるのだ。長きに渡って世界を席巻した妙技を、ふたたび日本のファンの前で披露してくれるだろう。

　トップリーグは年明けの１月12日に開幕する予定。トヨタの初戦の相手は、ヤマハ発動機ジュビロだ。

構成●THE DIGEST編集部

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