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食と体調管理

「これからの時代はバレーボールの楽しさや魅力を一番に感じてプレーしてほしい」元バレーボール女子日本代表・狩野舞子が見つけたバレーボールの楽しさと競技生活を支えた食習慣

元川悦子

2024.06.03

写真:THE DIGEST

写真:THE DIGEST

明日への一歩を応援する「Do My Best, Go!」。今回は2012年ロンドン五輪にバレーボール女子日本代表の一員として参戦し、現在は解説やイベントなどでバレーボール普及に携わる狩野舞子さんが登場。バレーボールを始めたきっかけや代表入りの経緯、イタリア・トルコでの海外挑戦、ロンドン五輪での経験、引退後の活動、今後の目標、アスリートの食生活まで幅広く語ってくれた。

――お父さんが元実業団のバレーボール選手、お母さんが八王子実践高校から東京女子体育大学に進んだバレーボール選手で、11歳年上の2番目の姉・美雪さんも久光製薬時代の先輩という「バレーボール一家」だったんですね。

 そうなんです。上の姉だけはバレーボールをやらずに、美術系の道に進みました。自分は末っ子で、姉たちとも歳が離れていたので、母親が3人いたような感じかな(笑)。私自身は記憶がありませんが、姉2人もオムツを替えてくれたり、一緒に育児をしてくれたと聞いています。

――そういう環境だと、幼少期からバレーボールとの接点は多いですね。

 赤ちゃんの頃からママさんバレーボールに参加する母親に抱きかかえられて体育館に行っていたので、そこでボール遊びをするような子だったようです。姉の応援にもよく行っていましたし、バレーボールが生活の一部になっていたのは確かです。本格的に始めたのは、通っていた三鷹市大沢小学校のスポーツクラブに入った小学4年生の時なのですが、それもごく自然の流れだったと思います。

――姉・美雪さんの背中を追いかけたところもありますか?

 そうですね。姉のことは小さい時から見ていますが「努力の人」。中学からバレーボールを始めて、高校、大学、実業団と歩みを続けて、着実に力をつけていって日本代表に選ばれるようななった選手なんです。根性もすごくあったし、いつもスゴイと感じていました。尊敬する人を聞かれると、いつも姉と答えていたくらい。そういう姉と一緒にプレーしたくて、久光を選んだのもありますね。
 
――久光製薬入りの少し前になりますが、八王子実践中学時代には3年生で日本代表候補に選ばれています。当時は「中田久美以来の中学生代表」と言われ、大いに注目されました。

 中田久美さんと並べてもらうのがホントに申し訳ないくらい、比べ物にならない選手だなと感じていました。私の時は期待を込めての選出だったし、代表合宿に行った時も『ここにいていいんだろうか…』と疑問を感じて、早く帰りたいとばかり思っていました。

――アテネ五輪の日本代表はキャプテンが吉原知子さん(JT監督)、セッターが竹下佳江さん(姫路エグゼクティブ・アドバイザー)で、若手の栗原恵さん、大山加奈さん、木村沙織さんもいましたね。

 はい。吉原さんや佐々木みきさん、竹下さんといった上の人たちが率先して引っ張るようなチームでした。先輩たちが一番早く来て朝練して、居残りも遅くまでやっていたので、若いメンバーはついていくのが必死。15歳の自分もそうだったので、そこまで鮮明な記憶がないんです。本当にスゴかったですね、あの時代は(苦笑)。

――アテネ五輪メンバーには選ばれず、八王子実践高校を経て、2007年に久光入りします。当時、指揮を執っていたのが、現日本代表の眞鍋政義監督でした。

 眞鍋監督の第一印象は「愉快な人」。「女子のチームは初めて」と言っていましたけど、すごくコミュニケーションが上手だし、選手に好かれる監督だなと感じました。

 一方でバレーボールになると物凄くシビアでした。常にデータを厳しくチェックされていて、前の試合の返球率やスパイク成功率などのデータを全部張り出すこともあり、結果の世界なんだと痛感させられました。「やっぱりデータのいい選手から使われるんだな」と久光に入ってすぐに思いました。

――当時の自分は何が足りなかった?

 全部ですね。高校3年生の時に練習参加した際も「全然、レベルが違う」って思いました。入社後は腰に痛みがあり、ずっと別メニューでトレーニングしていたんですが、ボール練習に入れるようになってからも、スピードもパワーも何もかも違った。「みんなと同じ練習だけじゃついていけない」と感じて、自主練をだいぶやるようになりました。でも、そうなるとまたケガをしてしまう。はやる気持ちと調整の難しさに戸惑った実業団1年目でした。
 

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