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今年の香港2騎は強力! 格上ロマンチックウォリアーを迎え撃つ日本勢の中で気になる1頭は国枝厩舎の上り馬【安田記念】

三好達彦

2024.06.01

香港から来日したロマンチックウォリアー。鞍上のマクドナルド騎手と頂点を狙う。写真:産経新聞社

 6月2日、春のマイル王決定戦・安田記念(GⅠ、東京・芝1600m)が行なわれる。今年は「短距離王国」とも呼ばれる香港から強豪2頭が参戦。楽しみな一戦となったが、気がかりなのは天候の行方。東京地方は1日の夜から雨となり、2日は終日雨の予報が出ている(降雨確率は時間帯により30~70%で変動)。豪雨にはならない見通しだが、だらだらと降り続ける可能性は高く、今週は中間にも雨があったのも加え、馬場状態が稍重~重となることも考慮しなければなるまい。

 まず、香港勢2頭からチェックしたい。格上のロマンチックウォリアー(せん6歳/香港・C.シャム厩舎)は、香港きっての中距離馬。普段は2000~2400mをテリトリーとし、この距離でG1レース7勝という突出した実績を残している。それは香港だけにとどまらず、昨年10月には豪州のコックスプレート(G1)で3頭の激しい叩き合いを制し、世界レベルの能力を如何なく示した。そこからいずれも芝2000mのGⅠ、香港カップ、香港ゴールドカップ、クイーンエリザベスⅡ世カップを制して、G1レース4連勝中である。

 問題は距離適性だが、マイル戦はここまで2回経験して1着1回、2着1回。3歳時の2022年香港クラシックマイル(L)で優勝し、昨年の1月には香港スチュワーズカップ(G1)は当地の最強マイラーであるゴールデンシックスティに1馬身差まで迫る2着に健闘した。ちなみに、この際の単勝1番人気はロマンチックウォリアーだった。

 1年以上マイル戦から遠ざかってはいるが、スチュワーズカップでトップオブトップのゴールデンシックスティに大きくは劣らなかったレースぶりを見るに、持ち前の先行力を含めて好戦可能だと見る。道悪に関しては、これまで2度「稍重」の経験を持ち、成績は1着1回(前走のクイーンエリザベスⅡ世カップ)、4着1回。やや時計がかかるぐらいの馬場状態までなら問題なさそうだ。
 
 もう1頭のヴォイッジバブル(せん6歳、香港・P.イウ厩舎)は2000mまでをカバーするマイラー。目の前にゴールデンシックスティやビューティーエターナルという壁が立ちはだかっているため好走止まりの状況が続いていたが、今年1月のスチュワーズカップでビューティーエターナルを下して優勝、ついにG1ホースの仲間入りを果たした。ちなみに昨年12月の香港カップでは、ゴールデンシックスティには1馬身半及ばず2着となったが、日本馬のナミュール(牝5歳/栗東・高野友和厩舎)、ソウルラッシュ(牡6歳/栗東・池江泰寿厩舎)には大きく先着している。道悪については「稍重」を2回経験しており、1着1回、3着1回。こちらも大きく悪化しなければこなせる範囲だろう。

 これらの要素を考え合わせると、格上のロマンチックウォリアーは主軸として評価すべきだし、また人気になるであろうソウルラッシュを物差しにすれば、ヴォイッジバブルも押さえ以上の見方が必要だ。マイル適性でロマンチックウォリアーを上回るだけに、オッズ的な妙味があるヴォイッジバブルから入る手さえあると思っている。

 いずれにせよ、今年の香港勢力は買いである。
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迎え撃つ日本勢はナミュール&ソウルラッシュが対抗格