SNSでの誹謗中傷。現代のアスリートにとって深刻な障壁のひとつだ。
顔の見えないユーザーによる批評の域を超えた罵詈雑言は、その内容が見当違いだったとしても浴びせられて心地のよいものではない。内容によっては法的措置の必要性も議論される。
【画像】世界に名を馳せるトッププレーヤー30選!
今夏のパリ・オリンピックで改めて問題視されるようになったこの議題について、一刀両断するのがエディー・ジョーンズである。テーマを受け取り手の態度に絞って述べる。
「ソーシャルメディアは、トイレの落書きの電子版といったような印象ですね。誰が書いたのかわからないけど、ただ書かれてはいるというもの」
これまでオーストラリア、南アフリカ、イングランドの代表に携わってワールドカップの決勝に進んできた、64歳のラグビー指導者だ。結果を出し称賛されたり、結果を残せずバッシングを浴びたりを重ねてきた。
今年、約9年ぶりに日本代表のヘッドコーチとなった。中長期的な観点からスコッドを大幅に若返らせたとあり、いま束ねている選手の多くは幼少期からネットワークに囲まれている。
情熱的な老師は、「トイレの落書き」への対処法をこう展開する。
「正しい考え方を教えること。特に試合直後には、私たちだけでミーティングをします。我々が伝えたいこと、正しい自分たちのアイデアを、プレーヤーの頭に入れます。それぞれがスマートフォンで自分たちがどう書かれているかを見る前に、です。もっとも、私ができることはそれくらいです。その後、何に触れるかは、各自に任せています。少なくとも私は、メディアで書かれている内容は一切、読みません」
第三者の意見には流されない。ただ、現実は受け止めている。
現体制にとっての初陣を含めた6月以降のサマーキャンペーンは、1勝4敗と負け越した。そのうち、国代表同士のテストマッチは3つとも落とした。
ボスは眉間にしわを寄せる。
「チームにではなく、自分自身に憤りを感じました」
特に7月21日には札幌ドームで、イタリア代表に14-42で敗れた。序盤からのミスで自滅。当日までのプロセスに「情報過多」という課題があったからだと振り返った。
それまでの4試合で『超速ラグビー』たる新コンセプトをある程度は理解し、かつ勤勉に働いていたと見て、最終戦のメンバーへ様々なプランを授けたのだろう。それゆえ流動的であるべきシーンでの「考えすぎ」に伴う硬直化、さらにはエラーを生んだか。
「いかに勝ちたいと思っているか、どんな形でプレーしたいと考えているかが皆さん(観客)に伝わればいいと思っていますが、イタリア代表戦ではそれが再現できませんでした。準備の度合いは修正できる。何がいけないのかはもうわかったので、同じ間違いは繰り返さないようにしていきます」
顔の見えないユーザーによる批評の域を超えた罵詈雑言は、その内容が見当違いだったとしても浴びせられて心地のよいものではない。内容によっては法的措置の必要性も議論される。
【画像】世界に名を馳せるトッププレーヤー30選!
今夏のパリ・オリンピックで改めて問題視されるようになったこの議題について、一刀両断するのがエディー・ジョーンズである。テーマを受け取り手の態度に絞って述べる。
「ソーシャルメディアは、トイレの落書きの電子版といったような印象ですね。誰が書いたのかわからないけど、ただ書かれてはいるというもの」
これまでオーストラリア、南アフリカ、イングランドの代表に携わってワールドカップの決勝に進んできた、64歳のラグビー指導者だ。結果を出し称賛されたり、結果を残せずバッシングを浴びたりを重ねてきた。
今年、約9年ぶりに日本代表のヘッドコーチとなった。中長期的な観点からスコッドを大幅に若返らせたとあり、いま束ねている選手の多くは幼少期からネットワークに囲まれている。
情熱的な老師は、「トイレの落書き」への対処法をこう展開する。
「正しい考え方を教えること。特に試合直後には、私たちだけでミーティングをします。我々が伝えたいこと、正しい自分たちのアイデアを、プレーヤーの頭に入れます。それぞれがスマートフォンで自分たちがどう書かれているかを見る前に、です。もっとも、私ができることはそれくらいです。その後、何に触れるかは、各自に任せています。少なくとも私は、メディアで書かれている内容は一切、読みません」
第三者の意見には流されない。ただ、現実は受け止めている。
現体制にとっての初陣を含めた6月以降のサマーキャンペーンは、1勝4敗と負け越した。そのうち、国代表同士のテストマッチは3つとも落とした。
ボスは眉間にしわを寄せる。
「チームにではなく、自分自身に憤りを感じました」
特に7月21日には札幌ドームで、イタリア代表に14-42で敗れた。序盤からのミスで自滅。当日までのプロセスに「情報過多」という課題があったからだと振り返った。
それまでの4試合で『超速ラグビー』たる新コンセプトをある程度は理解し、かつ勤勉に働いていたと見て、最終戦のメンバーへ様々なプランを授けたのだろう。それゆえ流動的であるべきシーンでの「考えすぎ」に伴う硬直化、さらにはエラーを生んだか。
「いかに勝ちたいと思っているか、どんな形でプレーしたいと考えているかが皆さん(観客)に伝わればいいと思っていますが、イタリア代表戦ではそれが再現できませんでした。準備の度合いは修正できる。何がいけないのかはもうわかったので、同じ間違いは繰り返さないようにしていきます」