格闘技・プロレス

統一戦の当日計量は実施せず。「だいぶ水を抜いた」ドヘニーの”リカバリー”に懸念も、井上尚弥は泰然自若「試合をやる楽しみ喜びが一番」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.09.03

前日計量を一発クリアした井上(左)とドヘニー(右)。両者は約18秒にらみ合った。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 準備万端で大一番に臨む。

 9月2日、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦(3日、東京・有明アリーナ)の前日計量が横浜市内で行なわれ、同級王者の井上尚弥と挑戦者のテレンス・ジョン(TJ)・ドヘニー(アイルランド)が出席。両者は一発でクリアし、試合に向けて万全のコンディションをアピールした。

 井上はスーパーバンタム級のリミットである55.3キロ、一方のドヘニーは200グラム軽い55.1キロで、ともに一発パスした。計量後の写真撮影では井上は4本のベルトを両手に持ち、ドヘニーは赤いキャップ姿で約18秒のフェイスオフ。目線を一切そらさず緊張感が漂ったが、最後は互いに笑顔で握手を交わして分かれた。

 8月31日の記者会見で井上は元IBF同級王者の印象について「すごく良いパフォーマンスで仕上げてきて、非常に怖い試合をする選手。体は見るからにデカいし、当日は僕以上にリカバリー(大幅な体重増加)してくると思う」と評していた。2日の計量を終えた後は、「(ドヘニーは)だいぶ水を抜いたなと。だからこそ、あれだけリカバリーをして10キロも戻るのかなと思う」と話し、あらためて警戒を示した。

 ドヘニーは前日計量から試合当日までに体重を大幅に増やすことで知られており、過去には一晩で12キロ以上も増量したことがある。これまでの統一戦と同様、この試合も当日計量は実施されない。ゆえに、試合当日の体重がひとつの焦点となりそうだ。
 
 相手がハードパンチャーなこともあり、周囲に一抹の不安がよぎるなか、絶対王者は泰然自若の構えだ。

「プレッシャーはいつもと変わらない。自分は試合をやる楽しみ、喜びっていうものが一番だと思っている。場所はどこであろうが、リングに上がるところに自分自身が期待しているし、楽しみにしている」

 フェイスオフ後にフレンドリーな仕草を見せた挑戦者に対しては、「そういう人じゃないですか、ドヘニーって。でも気合いはものすごく感じたし。気を引き締めて、いつも以上に集中しないといけない」と言い、表情を引き締めた。

 メインイベントで行なわれる統一戦は午後8時30分に試合開始を予定している。プロ戦績は井上が27戦27勝(24KO)、ドヘニーが30戦26勝(20KO)4敗。試合はNTTドコモの映像配信サービス『Lemino』で独占無料生配信される。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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