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バレーボール

満身創痍の状態で逆転負け…石川祐希のペルージャが伊杯4強敗退 被ブロック14本に地元関係者から苦言も「あってはならないことだ」

佳子S.バディアーリ

2025.01.29

チームトップの15得点を挙げた石川だが、ペルージャはまさかの逆転負けを喫した。(C)  Maurizio Lollini

チームトップの15得点を挙げた石川だが、ペルージャはまさかの逆転負けを喫した。(C) Maurizio Lollini

 現地1月25日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2024-25シーズンのコッパ・イタリア準決勝が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ ヴィム・ペルージャはラーナ・ヴェローナと対戦し、セットカウント2-3(25-22、28-26、14-25、19-25、12-15)で2セット先取から逆転を許して敗れ今季2冠目に届かず。石川にとっても4大会連続で決勝進出を逃す悔しい結果となった。

【動画】石川祐希がチームトップの15得点 コッパ・イタリア準決勝

 ペルージャはアウトサイドヒッター(OH)ウクライナ代表オレフ・プロツニスキーが大腿二頭筋を負傷したトレンティーノ戦以降、無敵を誇ったリーグ戦でチヴィタノーヴァにも敗れ2連敗中。故障者が続くなどチームコンディションに不安を抱える中、司令塔のイタリア代表シモーネ・ジャンネッリ、OHの石川とポーランド代表カミル・セメニウク、オポジット(OP)キューバ代表ハイメ・エレーラ、ミドルブロッカー(MB)のイタリア代表ロベルト・ルッソとアルゼンチン代表アグスティン・ロセル、リベロの元イタリア代表マッシモ・コラチを、決勝進出を狙うコートへ送り出した。

 大会初の4強入りを果たしたヴェローナは、セッターがコスタンティン・アバエフ(ロシア)、MBはエイダン・ツィンゲル(オーストリア)とロレンツォ・コルテジア(イタリア)。アタッカー陣は、OHが主将スロベニア代表ロック・モジッチとリーグ得点ランクで首位を独走中のマリ共和国出身ノウモリー・ケイタ、OPにデンマーク代表マッド・キーズ・ヤンセンを据えた今季初の布陣で勝負に出た。

 第1セット、序盤にブレークを重ねたペルージャがリード3点で中盤へ。相手はエースに加え、ブロックで石川のレフト攻撃を封じるなどして巻き返す。一時、優勢を譲ったペルージャだったが、慎重かつ丁寧なプレーを続けて相手のミスを誘い連続ブレークを繰り返す。終盤に再び前へ出たところで、ネットから離れたトスを石川がブロックアウトで仕留めてセットポイント。好機を1度見送った後、相手のサーブがネットにかかり試合を先行した。

 第2セットは僅差で追う展開の前半を過ぎると、攻撃陣に誤打が出始める。相手OHモジッチに8割超えのアタック決定率を許す一方、石川も被ブロックのほか、バックアタックでラインオーバーを犯すなどしてビハインド3点へ後退。しかし、終盤にエレーラと替わった元チュニジア代表ワシム・ベンタラのサーブでエース1本を含む3連続ブレークに成功して23-23とする。3度にわたるデュースの後、最終局面で形勢を覆したペルージャは、好守を見せたジャンネッリが転倒したまま、2段トスに入ったセメニウクへレフトへ方向を指さして配球を支持。託された石川が3枚ブロックの崩れを突き、勝利へ王手をかけた。

 後がなくなったヴェローナだが選手たちの表情に陰りはなく、疲労の色が見え始めたのは昨季王者ペルージャの方だった。プロツニスキーの離脱でOHが石川とセメニウクの2枚。3部から今季加入した控えOH二コラ・チャンチョッタ(イタリア)はトップリーグでの経験が乏しい。MBはルッソが予定を早めて復帰したため、セバスティアン・ソレを起用しながらプレー時間の管理が必要で、控えのダヴィデ・カンデッラーロは故障から日が浅い。肩を痛めた主力OPのベンターラも、この日はまだ調整中でフル稼働はできず、ベンチはひっ迫していた。
 
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