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ロコ・ソラーレ撃破し、涙した北海道銀行。全員が20代前半、去年決勝で敗北した写真を見て奮起「私たちの時代にしていきたい」【日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.02.09

ロコ・ソラーレを下し、決勝に進出した北海道銀行。全員が20代前半で構成される若いチームだ。(C)JCA/H.IDE

 あの日の悔しさは決して忘れない――。

 2月8日、カーリングの日本選手権(神奈川・横浜BUNTAI)は女子の準決勝が行なわれ、2次リーグ2位通過の北海道銀行が同リーグ3位のロコ・ソラーレを11対5で撃破し、決勝進出を果たした。しかも、2022年北京五輪銀メダリストが完敗を認めるコンシードでの決着。選手たちの目からは歓喜の涙がこぼれ落ち、悲願の頂点に王手をかけた。
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 試合後、チームメイトと抱き合い涙したサードの仁平美来は「正直、本当にホッとしたというのが、一番の気持ちでした。日本選手権の決勝という舞台でもう1回試合ができることが本当に嬉しくて、もうやった~!という感じでした」と笑みを浮かべた。涙の意味を問われると、「試合中に悩んだ部分もあったし、作戦とかも不安な部分もあったので、そういうのから解き放たれた解放感で、ちょっと涙が出ました」と明かした。
 
 前回大会はファイナルに駒を進めながら、SC軽井沢クラブに4対5で惜敗した。リードの中島未琴によれば、その悔しさを忘れないためにトレーニングルームに当時の写真を収めたパネルを設置しているという。今季は約3カ月のカナダ遠征を実施して実力を磨き、世界ランキングを30位台から一気に一桁となる9位にまでジャンプアップ。メキメキと力を蓄えている。

 昨年のリベンジを誓う決勝の相手は2次リーグ首位通過のフォルティウス。スキップの吉村紗也香を中心に経験豊富なチームで、気は抜けない。フォースの田畑百葉は「フォルティウスさんはショットの精度も高くて、2次リーグでは私たちが決めきれないところで負けた。100パーセント、200パーセントで決め切りたい」と切り出すと、「私たちの時代にしていきたいですし、若い世代がどんどん出てきて日本のカーリングを盛りあげていけたら」と、リベンジを誓う。

 全員が20代前半で構成される北海道銀行はミラノ五輪への道のりにはまず、「優勝」が絶対条件。チーム一丸で去年掴み損ねた日本一を取り戻し、世界への扉を自ら切り開く。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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