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26年ミラノ五輪が消滅した北海道銀行。氷上で嗚咽、号泣する田畑百葉にママさんカーラー吉村紗也香がかけた“言葉”【日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.02.10

北海道銀行の田畑(左)は試合後、嗚咽するほど涙が止まらず動けなかった。(C)JCA/H.IDE

北海道銀行の田畑(左)は試合後、嗚咽するほど涙が止まらず動けなかった。(C)JCA/H.IDE

 2月9日、カーリングの日本選手権(神奈川・横浜BUNTAI)は女子の決勝が行なわれ、フォルティウスが延長戦の末に8対7で北海道銀行を下し、優勝を果たした。同チームは3月の世界選手権(韓国)の代表にも内定し、9月に実施される2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の日本代表候補決定戦の出場権を獲得した。
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 文字通りの死闘だった。試合は10エンドを終えて7対7の同点のまま、エキストラ・エンド(延長戦)に突入した。直後の第11エンド、フォルティウスのスキップ吉村紗也香のウイニングショットが決まると、メンバーの目には涙が浮かび歓喜の輪が広がった。

 氷上では敗れた北海道銀行のフォース田畑百葉が膝にガックリと手をやり、しばらく動けず。他のメンバーに抱えられながら、なんとか立ち上がるも涙が溢れた。最後の一投を終えた吉村はチームメイトと喜びを分かちあった後、涙に暮れる田畑と健闘を称え合うかのように握手とハグを交わす。感動的なその光景にスタンドからは労いの拍手が鳴り止まず、吉村の目からは涙がこぼれ落ちた。
 
 試合後、吉村は激闘を繰り広げた若きライバルについて、「男子も含めて女子も若い世代の子たちが、どんどん強くなってきている」と感じており、メキメキと磨かれた実力に脱帽する。「世界の中でも(レベルが)上がってきているけど、自分たちもさらにその上に行くぞ!っていう気持ちがあるので。まだまだ負けないぞ!っていう気持ちはあります」と笑いながら話し、今後も幾度も対戦するであろう北海道銀行に対抗心を燃やした。

 23年12月に第1子を出産し、ミラノ五輪に向けて復帰を果たした吉村は母として迎えた大舞台でも出産前と変わらず、冷静沈着にアイスを読み切り正確無比なショットを連発。チームを頂点に導いた。オリンピック出場の可能性が途絶え、涙が止まらなかった田畑にどんな言葉をかけたのか質問されると、「咄嗟でした。『百葉ちゃんは本当に強かったよ』って」と明かし、22歳の若き司令塔に優しく労いの言葉を送ったという。

 凛とした強さに加え、愛情深いママさんカーラーとしての一面が垣間見えた瞬間だった。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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