いよいよ今週末より2025年のF１が開幕するが、デビューから５年目を迎えるビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズ（以下レーシングブルズ）の角田裕毅にとっても、キャリアにおいて重要なシーズンとなりそうだ。
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　昨季、安定したパフォーマンスを維持して９戦で入賞を飾り、30ポイントでキャリア最高のドライバーチャンピオンシップ12位という結果を残した彼は、各方面からその成長ぶりに高い評価を下された。また、ダニエル・リカルド、リアム・ローソンといったチームメイトとの対決も制したことで、シーズン終盤には、彼がデビュー時から目標だと公言してきたレッドブル昇格も現実味を帯びてきたと思われたものである。

　しかし、レッドブル首脳陣はマックス・フェルスタッペンのパートナーとしてローソンを選択。「ジュニアチーム」で５年目を迎えることになった角田は、しかしホンダとレッドブルの提携が今季限りで終了することもあり、このグループからの離脱が噂され、また他チームのドライバー人事の状況から選択肢は極めて少なく、その高評価にかかわらず、シート喪失の危機も囁かれる羽目となっている。
  　この状況から脱却するためには、来るシーズンでも結果とインパクトを残し、全てのチームに対して自身が魅力的なオプションであることを証明することが必須となるが、角田自身も英国のモータースポーツ専門メディア『MOTORSPORT WEEK』のインタビューにおいて、2025年の戦いに向けて強い意欲を明かした。

「昨季は、感情のコントロールについては本当に努力しました。（開幕戦の）バーレーンで色々なことが起き、その時に心の奥深くで『自分を変えなければならない』と強く感じました。そして、シーズンを通して大きく成長できたと思います。明らかに、以前のように（無線で）声を上げることも減りました。ほんの１、２回くらいだったと思います。そういった面でも、成長を実感しています」と語る彼は、それが今オフにも活きたと明かす。

　それは、残念ながらレッドブル昇格が見送られた際の反応であり、「（ドライバー人事に関する）噂や、クリスチャン（・ホーナー代表）をはじめとするレッドブルの人たちの態度が、自分にとって好ましいものではなかったので、ある程度覚悟はしていました。だから、心の準備をするように努めました。望んでいない知らせを聞いたとしても、それを受け入れ、次に進めるようにするために」。