競馬

混戦必至な春の盾は一昨年の覇者ジャスティンパレスの復活走に期待! 次位争いで浮上する意外な“穴馬”は?【天皇賞(春)】

三好達彦

2025.05.03

一昨年の春の盾を制したジャスティンパレス。それ以来、勝ち星から見放されているが今回はチャンス到来か。写真:産経新聞社

 5月4日、チャンピオンステイヤー決定戦の天皇賞・春(GⅠ、京都・芝3200m)が行なわれる。昨年の覇者テーオーロイヤル(牡7歳/栗東・岡田稲男厩舎)が足元の不安で春シーズンを全休。また、昨年の菊花賞馬アーバンシック(牡4歳/美浦・武井亮厩舎)は次走を宝塚記念(GⅠ)とする旨が明かされ、出走していれば人気を背負ったであろう2頭が不在となった。

 それゆえ、エントリーした15頭のなかでGⅠホースは、昨年の宝塚記念を制したブローザホーン(牡6歳/栗東・吉岡辰弥厩舎)と、一昨年の本レース覇者であるジャスティンパレス(牡6歳/栗東・杉山晴紀厩舎)の2頭のみ。しかもフルゲート割れの15頭立てで、そのなかには2勝クラスを勝ち上がったばかりの条件馬まで含まれており、メンバー構成がかなり薄くなった印象は免れない。また同時に、レース自体が混戦の色を濃く宿しているのも確かだ。

 そうした状況のなか、人気はダイヤモンドステークス(GⅢ、東京・芝3400m)で2着に4馬身差を付ける圧勝を飾ったヘデントール(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)と、阪神大賞典(GⅡ、阪神・芝3000m)を6馬身差で制したサンライズアース(牡4歳/栗東・石坂公一厩舎)の2頭が集めそうだ。
 
 しかし、この2頭が強い勝ち方を見せたプレップレースは、いささかそのレベルに疑問符が付く。まずダイヤモンドステークスは、勝ちタイム3分32秒2は近10年で8番目と凡庸で、2着のジャンカズマ(牡7歳/美浦・西田雄一郎厩舎)は一昨年のオープン特別を勝ったのが目立つぐらい。ダイヤモンドステークスの勝利はヘデントールがかなりメンバーに恵まれたと見るべきで、昨年の菊花賞(GⅠ)で2着した実績は認めつつも、主軸とするのは見立てが高すぎるように思える。

 次に阪神大賞典は、前半の1000m通過ラップが63秒1というスローペースで展開した末の行った行ったで決着しており、直線だけで2着を6馬身も千切った瞬発力に見るべきものはあったが、サンライズアースも過剰な高評価を受けているのではないか、との疑問が残る。

 さらに、青森産馬として注目を集めるハヤテノフクノスケ(牡4歳/栗東・中村直也厩舎)だが、2着に大きな差を付けて勝った近2走はいずれも条件戦。阪神競馬場リニューアルオープン記念(3勝クラス、阪神・芝3000m)の走破タイム3分2秒9は優秀ではあるが、このときの負担重量は56㎏で、天皇賞の58㎏よりも2㎏軽い。ゆえに、買い被りは禁物だろう。
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主軸は古馬の一線級を相手に好走を続けてきたGⅠウイナー