ラグビー

現場は賛否両論!リーグワン新登録制度で日本ラグビーは強くなるのか?「代表強化に繋がるかどうか…」「長い目で見たらよりよくなる」

向風見也

2025.05.21

選手登録区分が変更となるリーグワン。果たして代表強化などへの影響はあるのか?(C) Getty Images

 世界中の有名なラグビー選手が集まって注目される日本のリーグワンに、再来年度から新たな選手登録区分が導入される。一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン(JRLO)が5月13日、発表。やや物議を醸している。

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 もともとリーグワンでは、選手が3つのカテゴリに振り分けられている。「カテゴリA」は日本代表資格のある面々。試合登録メンバーの23名(以下、登録)中17名以上、フィールド上に同時に立つ15名(以下、同時出場)中11名以上を占めるよう義務付けられている。

 
 それ以外では、どの国の代表にもなったことがない海外戦士が「カテゴリB」と、他国代表経験者が「カテゴリC」と分類される。この両カテゴリの登録は6名以下で、かつ「カテゴリC」は3名以下、同時出場は両カテゴリ合計で4名以下となっている。

 今回の変更では、この「カテゴリA」が2つに分かれる。国籍に関わらず日本での義務教育を6年以上受けた選手が「カテゴリA-1」に、それ以外の「カテゴリA」は「カテゴリA-2」になる。また登録で14名以上、同時出場で8名以上が「カテゴリA-1」であることが義務付けられる。

 一方、学生時代に日本へ留学してきたり、チャンスを求めて来日して長期を過ごしたりしてきた面々は「カテゴリA-2」となる。登録のうち9枠、同時出場のうち7枠を「カテゴリB」「カテゴリC」と争う。そのうち日本代表30キャップ以上の選手は「カテゴリA-1」に「優遇」されるとするが、総じて国内組のチャンスが広がる仕組みとなる。

 制度変更への声は、各クラブの間で日増しに高まっていた。

 現行の仕組みでは日本出身者のプレー機会が減り、普及育成に影響を及ぼすうえ、海外生まれの「カテゴリA」の価値が高騰して経営圧迫に繋がりうるからだ。

 JRLOの事務局は、内なるニーズを耳にしたうえでこの問題に関する「分科会」を設置。全3ディビジョンの首脳が小グループに分派し、約半年にわたって話し合った。各カテゴリの枠や「優遇」の条件について複数のパターンを用いて想定し、そのうえで定めた。

 JRLOの東海林一専務理事は、この取り決めとクラブの予算面の問題は無関係だと述べた。

「日本国内の小中学校年代を含む、若年層の競技者がより一層リーグワンでのプレーを具体的な目標として捉え、競技への参加意欲を高め、国内の競技人口増加、そして日本ラグビー全体の普及と発展に寄与することを目指しています」
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「カテゴリB」から「カテゴリA-1」への道のりは長くなる