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ラグビー

「負けている感触はなかった」大敗も2トライを奪った22歳ウイングの強気。ジョーンズHCも「かなりステップアップした」と進化に手応え【ラグビーJAPAN XV】

向風見也

2025.06.29

マオリABs戦で意地の2トライを挙げた植田。ジョーンズヘッドコーチも成長を認めた。(C) Getty Images

マオリABs戦で意地の2トライを挙げた植田。ジョーンズヘッドコーチも成長を認めた。(C) Getty Images

 わかりやすい結果を残した。

 6月28日、東京・秩父宮ラグビー場。コベルコ神戸スティーラーズのルーキー、植田和磨が、日本代表によって編まれたJAPAN XVのウイングとして2トライを挙げた。

【動画】植田が2トライと躍動! マオリ・オールブラックス戦ハイライト
 特に0-0で迎えた前半9分には、敵陣中盤左で球を持つや迫る2枚の防御をフットワークで置き去りにした。公式で1万9792人の集うスタンドを沸かせた。

「自分はボールを持たないと持ち味を活かせない。いかにボール(のある場所に)入るかを考えています」
 
 他の攻撃局面でも、持ち場から離れて球をもらったり、タックラーの芯から逃れて仲間が球出しのしやすい接点を作ったりと着実に働いた。得点をもたらした加速力は、後衛のカバーでも活かした。

 チームは守りが崩壊し、マオリ・オールブラックスに20―53で大敗も、身長177センチ、体重87キロの22歳は強気を保った。

 雑然とした取材エリアで、「国際基準のフィジカリティはどうだったか」と聞かれる。

「当たった時に強いな、とは思いました。ただ、負けているという感触はなかったです」

 反省は忘れない。本来なら得意であるハイボール処理で試行錯誤した。

 流れが傾きかけていた後半13分頃、向こうが高く蹴り上げてきたキックを捕るべくフィールド中盤でジャンプ。相手に競られた末に落球した。

 続く17分頃には似た局面を早めのジャンプで制するも、27分頃のチャレンジでは捕球エリアで複数名に取り囲まれ被ターンオーバーを喫した。

「学生の時は自分が飛んだら、捕れていた」

 本人は切り出す。確保に苦しむことの少なかった時代があったのを踏まえ、この午後のトライアルアンドエラーを口にする。

「(向こうに)背の高い人がいて、その人に手を伸ばされたら、(持って)行かれる。きょうは1本、いい形で捕れましたが、2本、失敗。もっと練習して精度を上げないといけない」

 近大4年だった24年には7人制日本代表としてパリ・オリンピックに出場も、トップカテゴリーの15人制で国際舞台に立つのはこの日が初めてだった。新しい舞台で得た皮膚感覚を、翌週以降の肥やしにする。
 
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