船木誠勝の入場シーンを見て、思わず声が出た。船木のセコンドには高橋義生と山田学。もう一方のコーナーを見ると、新崎人生の両サイドにザ・グレート・サスケとディック東郷が。
【画像】注目のレジェンド対決! 船木誠勝vs.新崎人生<ストロングスタイルプロレス>
この6月12日に後楽園ホールで開催されたのは、初代タイガーマスク・佐山聡が率いる『ストロングスタイルプロレス』。メインイベントは船木に新崎が挑むレジェンド選手権だった。
船木は1969年生まれの56歳。新崎は少し上、1966年生まれの58歳。船木たちがパンクラスを旗揚げしたのは1993年のことだ。
パンクラスは“完全実力主義”を標榜。また同じ年にはK-1、UFCもスタートしており、世界的なプロ格闘技元年となった。
実は、新崎たちが属するみちのくプロレスも1993年旗揚げ。格闘技の流れとは無縁だったが、東北の地にルチャ(メキシカンスタイルのプロレス)を根付かせる活動は今もなお続く。
そうか、パンクラスとみちのくは“同い年”か。場内実況でそのことを知ったファンから、感慨深いため息と拍手が発生する。
90年代の匂いが濃厚に立ち込めた気がした。当時の最先端。旗揚げラッシュを迎えた新興団体は、新しさも怪しさも魅力だった。次から次に“見たことがないもの”を見せてくれた。
驚くべきことに、船木vs新崎は今回が初シングルだった。戦前のインタビュー、船木は当然のように新崎の「幻想」に気をつけると言った。
ヒクソン・グレイシー戦で寝技に注意するように、新崎人生戦では拝み渡りなど幻想的な技に気をつける。それが“初シングル”のリアリティだ。
新崎が腕を取り、ロープに飛び乗ろうとすると腰を落としてディフェンス。そんな攻防で観客を沸かせたのだからさすがだ。何度目かの攻防で拝み渡りが決まる。この日のクライマックスだったが、船木は飛び込んできた新崎を三角固めに捉えたのだった。
「新間さん、自分は死ぬまでストロングスタイルです」と勝った船木。この大会は“過激な仕掛け人”としてアントニオ猪木を支えた新間寿氏の追悼興行だった。
新間氏がUWFを作ったことでパンクラスが生まれた。みちのくの前身と言えば、新間親子によるユニバーサル。プロレスラーたちは、活動していればいずれどこかでつながってくるということか。
この日のセレモニーには佐山聡、前田日明、藤原喜明も。大先輩が控室にいる状況に、緊張感が高く試合ができたと船木。
「怖かったですからね」
昔を思い出す表情は、どこか嬉しそうにも見えた。
取材・文●橋本宗洋
【記事】棚橋弘至と最後の一戦を控える真壁刀義「新日本プロレスの原点、すげえもんだろって、それを知らしめてやるよ」
【記事】大病克服のELPがTV王者奪取! 敗れたコブは新日本離脱を示唆「別の場所に行く時が来たのかもな」
【画像】2025年の名勝負! 熟練レスラーが魅せた技の総力戦、「60分アイアンマンマッチ」
【画像】注目のレジェンド対決! 船木誠勝vs.新崎人生<ストロングスタイルプロレス>
この6月12日に後楽園ホールで開催されたのは、初代タイガーマスク・佐山聡が率いる『ストロングスタイルプロレス』。メインイベントは船木に新崎が挑むレジェンド選手権だった。
船木は1969年生まれの56歳。新崎は少し上、1966年生まれの58歳。船木たちがパンクラスを旗揚げしたのは1993年のことだ。
パンクラスは“完全実力主義”を標榜。また同じ年にはK-1、UFCもスタートしており、世界的なプロ格闘技元年となった。
実は、新崎たちが属するみちのくプロレスも1993年旗揚げ。格闘技の流れとは無縁だったが、東北の地にルチャ(メキシカンスタイルのプロレス)を根付かせる活動は今もなお続く。
そうか、パンクラスとみちのくは“同い年”か。場内実況でそのことを知ったファンから、感慨深いため息と拍手が発生する。
90年代の匂いが濃厚に立ち込めた気がした。当時の最先端。旗揚げラッシュを迎えた新興団体は、新しさも怪しさも魅力だった。次から次に“見たことがないもの”を見せてくれた。
驚くべきことに、船木vs新崎は今回が初シングルだった。戦前のインタビュー、船木は当然のように新崎の「幻想」に気をつけると言った。
ヒクソン・グレイシー戦で寝技に注意するように、新崎人生戦では拝み渡りなど幻想的な技に気をつける。それが“初シングル”のリアリティだ。
新崎が腕を取り、ロープに飛び乗ろうとすると腰を落としてディフェンス。そんな攻防で観客を沸かせたのだからさすがだ。何度目かの攻防で拝み渡りが決まる。この日のクライマックスだったが、船木は飛び込んできた新崎を三角固めに捉えたのだった。
「新間さん、自分は死ぬまでストロングスタイルです」と勝った船木。この大会は“過激な仕掛け人”としてアントニオ猪木を支えた新間寿氏の追悼興行だった。
新間氏がUWFを作ったことでパンクラスが生まれた。みちのくの前身と言えば、新間親子によるユニバーサル。プロレスラーたちは、活動していればいずれどこかでつながってくるということか。
この日のセレモニーには佐山聡、前田日明、藤原喜明も。大先輩が控室にいる状況に、緊張感が高く試合ができたと船木。
「怖かったですからね」
昔を思い出す表情は、どこか嬉しそうにも見えた。
取材・文●橋本宗洋
【記事】棚橋弘至と最後の一戦を控える真壁刀義「新日本プロレスの原点、すげえもんだろって、それを知らしめてやるよ」
【記事】大病克服のELPがTV王者奪取! 敗れたコブは新日本離脱を示唆「別の場所に行く時が来たのかもな」
【画像】2025年の名勝負! 熟練レスラーが魅せた技の総力戦、「60分アイアンマンマッチ」