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ラグビー

「勝たないと意味がない」日本代表の3番候補・竹内柊平が意地を見せる! ウェールズ代表2連戦に懸ける想い【ラグビー】

向風見也

2025.07.04

ウェールズ戦での活躍が期待される竹内。スクラムの最前線を支える存在だ。(C) REUTERS/AFLO

ウェールズ戦での活躍が期待される竹内。スクラムの最前線を支える存在だ。(C) REUTERS/AFLO

 愛称は「TK」だ。

「思いっきり来ていいよ! TKは頑丈だから壊れない!」と、竹内柊平は訴える。

【動画】植田が2トライと躍動! マオリ・オールブラックス戦ハイライト
 ラグビー日本代表の宮崎合宿中だった6月21日、束の間のオフを利して地元の小中学生へのクリニックに参加した。
 
 夕方になっても日差しの強いグラウンドで別の選手がパス、キックを教える傍ら、ご当地選手でもある「TK」はタックルを担当した。

 小さなサンドバッグ状の柱へ刺さる少年少女を見守り、踏み込みや姿勢について助言を挟む。「よくなった!」「すごい! 言ったそばから!」と鼓舞する。

 最後は柔らかいマットをバックに、手持ちの緩衝材を抱える。参加者全員にぶつかってくるよう訴えたのだ。

「ここでTKを倒せたら、誰が来ても倒せるよ!」

 身長183センチ、体重115キロの27歳は、ぐっ、と腰を落とし、一人ひとりのチャレンジを受け止める。

 倒されるたびに「ナーイス!」「強い!」と野太い声を発する。なかには力自慢も混ざっていたから、太い首が揺れそうになることもあった。

 繰り返せばこの午後は、ナショナルチームの一員としてきついキャンプの最中である。

 1週間後の28日には、JAPAN XV名義でのマオリ・オールブラックス戦が控えていた。

 それでも、内なる奉仕精神を開放したのである。

「子どもたちに僕ができることは何だろう。じゃあ、僕がタックルを受けよう…と。正直、僕の名前は覚えられていないと思うんです。ただ、日本代表の選手にタックルしたという記憶は残る。それで、『温かい日本代表』というものが伝わったらいいかなと」

 小学5年で宮崎ラグビースクールに入ってから、ずっと周りの子どものほうが上手だと感じていた。進学した宮崎工高でも、全国大会とは無縁だった。

 それでも、地方から選手権行きを狙う九州共立大で心を入れ替えた。3年時に「日本代表になる」と誓った。

 目標に近づくべく転向を決めた。身体をぶつけるフォワードのうちロック、ナンバーエイトといった長身選手の集まる位置にいたところ、最前列の右プロップに移った。

 当時あった旧トップリーグの合同トライアウトにおいて、見よう見まねで持ち場のスクラムの姿勢を取った。あまりに変わった格好だったのを、指導役に来ていた斉藤展士氏に面白がられた。

 同氏がコーチをしていた現浦安D-Rocksの前身チームへ入り、基礎を叩き込むうちにブレイクの兆しを掴んだ。3季目の2022年、代表デビューを果たした。

 昨年からは、体制を刷新したナショナルチームで主戦級の座を争う。ランニング、ハードヒットで光る。
 
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