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ゴルフ

プロデビュー戦の19歳、渋沢栄一と縁戚関係の澁澤莉絵留が、コロナ禍の猛練習で優勝圏内に!

山西英希

2020.09.11

 元々、澁澤は練習することが嫌いではなかった。群馬県太田市の出身でありながら、あえて高校を地元ではなく福岡県にある沖学園に進学したのも、日没が遅い分練習時間が増えることと、練習する施設や環境が整っていたからだ。その甲斐あって、レベルの高いプラチナ世代にありながらも、高1では九州高校ゴルフ新人戦で優勝し、高3では全国高校ゴルフ選手権と日本ジュニアで3位に入っている。プロになっての自粛期間中も毎日朝の6時半ぐらいからコースでハーフを回ると、3時間ほどショットの練習をして、自宅でパットやアプローチの練習に明け暮れた。

 今大会でも初日にパットの調子がよくないと思えば、ラウンド後から日没まで練習グリーンでボールを転がし、2日目のスタート前も通常よりも多めにパット練習に時間を割いた。それがあったからこそ、バーディチャンスをしっかりと決めることができたのだろう。この日も、スコアがよかったことに浮かれることなく、ラウンド後は練習場でボールを打ち続けた。気がつけば、2カゴが空になっていたが、気になるところを徹底して修正しておきたかった。
 
「今回の開催コースであるJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は、昨年受けたプロテストの会場ですが、そのときよりも距離が長く、グリーン周りの芝も伸びているので難しい感じがします。最後まで集中力を切らさずに頑張りたいですね」と、コースマネジメントを慎重に行なうことで、残り2日間もスコアを伸ばす作戦だ。

 澁澤と言えば、24年から新一万円札の新しい顔になる渋沢栄一と縁戚関係にあるが、いつまでもその話題に負けているわけにもいかない。チャンスがあれば、ツアーデビュー戦で公式戦優勝という離れ業に挑戦してみるのも悪くないだろう。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
 

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