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ゴルフ

「最後のショットは100点だった」痛恨の"ダフり"を挽回して6打差から逆転優勝!西村優菜が見せつけたメンタルの強さ

山西英希

2020.11.01

 技術に対する確かな自信と、メンタルの強さで6打差を縮めた西村。プレッシャーがかかる最終18番パー5でも冷静さを失わなかった。「セカンドショットを6番アイアンで刻めば、自分が一番得意とする80ヤードを残せる。それなら58度のウェッジでフルショットよりも少し弱めに打てばいい」と考え、あえて2オン狙いはしなかった。ところが、大事なこの場面でなんとボールの手前をダフり、115ヤード残るという計算外の事態に陥る。

 思わず渋い表情を浮かべた西村だが、それでも気持ちは前向きだった。結果的にピッチングウェッジを手にしたものの、ショートアイアンはスイングづくりをするうえで数多くボールを打ってきたクラブでもある。絶対にピンに寄ると信じて打ったボールは、ピンの上1メートルに止まった。これを沈めればツアー初優勝を手にできるが、油断はできなかった。苦手なスライスラインを残していたからだ。最後の試練だと思い、緊張感がMAXの中、ゆっくりとストロークしたボールがカップの中へ消えると、拳を上下に数回動かして喜びを表現した。
 
「最後のショットは自分でも100点だったと思います(笑)。優勝争いの中でも強い気持ちでプレーできたのは自分でも成長した部分かなと思います。今シーズンは来年も含まれるので、まだ残りは長いけど、日々強くなって上位争いをして大会を盛り上げていけるような選手になりたいですね」と西村。将来的には憧れる宮里藍のよう海外で活躍することを目指す気持ちもある。その夢に向けての第一歩をこの日刻んだのは間違いない。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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