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【朝日杯FS】フランケル産駒の良血、グレナディアガーズが低評価を覆して快勝。その要因は?

三好達彦

2020.12.21

 フランケルの産駒には気性に難しい面も持った馬が少なくないといわれるが、グレナディアガーズもそうした面を見せていた。デビューの新馬戦を追い込みながら2着に敗れたあと、2戦目の未勝利戦では道中で暴走気味に位置を上げ、最後はバテて4着に敗れるという脆いところを見せていた(このレースの勝ち馬はレッドベルオーブ)。前走の未勝利戦は2番手から抜け出して2着に3馬身差を付ける勝利を挙げていたが、その前2戦の内容からさほど高く評価されることなく、朝日杯フューチュリティステークスに出走する運びになったのだろう(ちなみに筆者もプレビュー記事では本馬をピックアップできなかった)。

「性格の難しさを出さないよう、馬の気分を害さないように走らせたいと考えていました。もともと能力の高い馬だと期待していましたので、今日はその力を示せたことをうれしく思います」とは、手綱をとった川田将雅騎手。モントライゼが思い切った逃げを打ったため、離れた2~3番手でほとんどプレッシャーを受けることなくレースを進められたのも大きな勝因だと言えよう。
 
 本馬を管理する中内田充正調教師が、「正直、1600m(の距離)をよく持ってくれたというのが今日のレースですから、今のところ距離を延ばすことは視野に入れていません」とコメントしたことから、来春はクラシック戦線ではなく、NHKマイルカップが目標になっていくと思われる。

 2着のステラヴェローチェ、3着のレッドベルオーブは、敗れはしたものの、しっかりと末脚を伸ばして、重賞勝ち馬らしく力のあるところを見せた。こちらの2頭はマイル戦線を歩むのか、皐月賞を目指すのかは気になる点だ。

 3頭のライバル物語はここからスタートした。ストーリーの続きは来春に紡がれていく。

文●三好達彦

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