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フィギュア

「スケートが自分の中で苦しい」本田真凜がジャンプで苦戦。全日本選手権で復活するためのカギとは?

辛仁夏

2020.12.24

 東日本ではSP8位からフリー12位となり、ボーダーライン(11位)ぎりぎりの総合10位で目標に掲げた全日本選手権出場切符を何とか手にした。悲壮感漂う中での演技となったフリー後の会見で本田は、抱えていた切実な思いを吐露した。

「ここ最近、スケートが自分の中ですごく難しいなっていう気持ちで、いろいろ考えて泣くこともありました。全日本は自分の中では特別な試合で、連続(出場)を途切れさせたくなかった。(フリー冒頭の)最初のジャンプを失敗した後に、『もう今日で最後』と思って滑ったような気がします。『引退』っていう言葉は考えていなかったけど、最近、本当にスケートが自分の中で苦しいものになっていて、全日本に今回出られなかったら、何のためにしているのか考えないといけないな、と思っていました。

『何位までが(全日本に)通れる』と考えたのは久しぶりだったし、そういうことを考えている自分が嫌で、いろんな感情がこみ上げてきました。また、(シニアデビューした)妹の望結を引っ張っていかないといけない自分が、一緒に(全日本選手権出場の)ボーダーラインを意識していることも嫌でした」
 
 なぜ苦戦を強いられているのか。それは本田自身が誰よりも分かっているはずだが、この大きな課題は一朝一夕では克服できない。ジャンプの修正を目指して師事したラファエル・アルトゥニアンコーチは「ジャンプ修正には3年くらい掛かる。地道な取り組みが必要だ」と、本田を指導するにあたり、こんなことを明かしていた。あれから、もう3年が経とうとしているが、果たして本田のジャンプに変化をもたらせたのだろうか。

 東日本選手権では右肩のけがによる痛みもなく、追い込んだ練習もできるようになって試合に臨んだようで、全日本選手権に向けては少しずつ調子を取り戻しつつあった。そして、11月下旬に行なわれたNHK杯では今季初めてとなる観客の前での演技でパワーをもらったこともあり、忘れていた笑顔を取り戻して演技を楽しんだことが得点増にも現れた。この大会でも回転不足の解消はできなかったが、SPで58.30点、フリーでは104.27点をマークして合計162.57点を出した。
 

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