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ラグビー

【ラグビーW杯をヒット記事で振り返る!】「審判の25分間」を乗り越えてスコットランドにリベンジ達成。日本代表はどこまで歴史を塗り替えれば気が済むのか

吉田治良

2019.11.11

ラファエレ(写真)のグラバーキックから福岡がトライ。試合の流れをグッと引き寄せたビッグプレーだった。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

ラファエレ(写真)のグラバーキックから福岡がトライ。試合の流れをグッと引き寄せたビッグプレーだった。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 21分にスクラムの要のひとりであるPRの具智元が涙の負傷交代を余儀なくされても、慌てる素振りはない。直後の相手ボールスクラムで反則を誘うと、「プロセスが素晴らしかった」と自賛するPR稲垣啓太の代表初トライが生まれるのは、その4分後のことだ。松島が、CTB中村亮土が縦に仕掛けて起点を作り、HO堀江翔太、LOジェームス・ムーア、FBウィリアム・トゥポウの“オフロードパス3連発”で中央をこじ開けると、最後はこれをサポートした稲垣がゴールポストの真下にグラウンディング。逆転に成功するのだ。

 38分、再び田村のPGが外れる。ならばトライで取り返せばいいとばかりに、またしてもわずか1分後に追加点を生み出す。ラファエレのグラバーキックを、ディフェンスラインの裏に抜け出した福岡が上手く片手でキャッチし、左隅に飛び込んだのだ。

 難しい角度から狙った田村のコンバージョンも決まり、日本は21-7と大きくリードして前半を折り返した。

 ロシアとの第3戦で主力を温存し、休養十分でこの決戦に臨んだはずのスコットランドだが、「フェイズを重ねるごとに相手のディフェンスはデコボコになっていた」と松島が証言するように、早くも日本のスピーディーなパス回しについていけなくなっていた。
 
 中村はチームとしての狙いをこう説明している。
「フォワードでゲインして、良い形でボールが出ればアウトサイドは行けるというのはあったし、ブラインド(サイド)では9番(SHレイドロー)、10番(SOラッセル)をターゲットにアタックできた。チームの全員が同じ絵を描いてゴールを目指せた」

 もはや、勝てない相手などないのではないか──。そう思わせるほど、前半のジャパンは強かった。スコットランドの得意とするキック戦術にも、前からプレッシャーを掛けるタイトなディフェンスと正確なハイパント処理で、無難に対応する。

 後半開始早々の42分には、ラファエレが鋭い出足で敵のアタックを前で潰すと、このチャンスを、「ただ走ってトライを取るだけの選手にはなりたくなかった。ディフェンスでチームに貢献できることはないかと、常に探していた」という福岡が見逃さなかった。ジャッカルでボールをもぎ取って、およそ50mを独走。貴重なボーナスポイントをもたらす、この日のチーム4本目のトライでスコットランドを突き放した。

 リーチを筆頭に、史上最多13回目のワールドカップ出場を果たした38歳のトンプソン・ルークが、具に代わって出番を得たヴァルアサエリ愛が、次々と魂のタックルを繰り出していく。28-7と大きくリードを奪っても、ジャパンの面々に気の緩みなど一切感じられなかった。

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