専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
格闘技・プロレス

紆余曲折があって生まれた“TTコンビ”。TORU&瀧澤晃頼の初タッグは惜敗も「いつかインディーを代表する人たちと…」【TTT】

萩原孝弘

2021.03.14

試合後は充実ぶりをうかがせる顔つきで、さらなるコンビネーションの向上を口にした。

試合後は充実ぶりをうかがせる顔つきで、さらなるコンビネーションの向上を口にした。

 試合は序盤からTORUと政岡による先輩・後輩対決の後、注目の瀧澤と竹田にスイッチする見応えのある攻防を見せる。

 政岡は指を踏みつけるなどラフファイト、竹田はスピアーやドロップキックなど相手タッグはそれぞれの特徴を生かした攻めを展開。一方のTORUはフロントスープレックスやDガイストにシャイニングウィザード、瀧澤もチンクラッシャーやビッグブートとキレのあるテクニックで応戦していった。

 そして、熱戦の最後は政岡が瀧澤の急所を狙い撃ってからトラースキックで3カウントを奪取した。

 一貫したダーティーファイトに屈し、タッグ初戦は消化不良の敗戦となってしまった。しかし、瀧澤が政岡の足をカニバサミの要領でダウンさせるとTORUがフットスタンプ、さらに瀧澤が丸め込みを仕掛けてから、今度はTORUが低空ドロップキックを打ち込む、華麗な連携を披露。会場を大いに湧かせることには成功した。

 試合後初陣を勝利で飾れなかったことに、「そんな簡単にプロレスって勝てるものじゃないので」と淡々と振り返った瀧澤は、「収穫はTORUさんとタッグ組んであったので、これから2人でタッグとして磨いていけれれば、自ずと勝利に近づくのかと思う」とコメント。そして、「これからも一緒に頑張ってくれますか?」とTORUに問いかける。
 
 これにTORUは「一方的に言われてるだけなんで……」と一瞬戸惑いながらも、「タッグチームの初戦としては、内容は残せたかな。最後はただ、個人の力量の差で瀧澤が取られましたけど、タッグマッチでは個人の力量の差を埋めて行けると。今日は本当に出だしとしては上々」と満足げな表情で評価した。

 さらに流れるような連係技も実は練習はせずに、「ぶっつけ本番だった」と明かしたTORUは、「お互いの得意な部分を組み合わせて、ああいう技に辿り着いた」と自然体で挑んだ結果と強調した。

 そして、「産まれたてのタッグチーム、チームと呼べるかのもわからないぐらいのタッグ。今後もっともっと精度やコミュニケーション深めていきたい」とさらなる成熟を目指したTORUは、こう宣言した。

「今は間違いなく勝負にならないんですけど、この団体にはSOS、クレイジーラバーズ、PSYCHO&CHANGOというインディーを代表するタッグチームが出ているんで。その人たちといつか勝ち負けできるようなチームになれればいい」

 残念ながら白星発進とはならなかった。だが、瀧澤とTORUの満足げな笑顔と輝いた目からは、確かな充実感が漂っていた。TTTに産まれた「TTコンビ」が、近い将来インディーのタッグ戦線に新風を巻き起していきそうだ。

取材・文●萩原孝弘

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号