専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
格闘技・プロレス

女子格闘家・浅倉カンナ 苦しみを乗り越えて生まれた家族の絆「みんなのために戦いたい」

保坂明美(THE DIGEST編集部)

2021.03.19

レスリングを辞め、総合格闘技の世界へ飛び込んだカンナ。始めの頃はイメージとは違った自分の人生に戸惑いもあったという。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

レスリングを辞め、総合格闘技の世界へ飛び込んだカンナ。始めの頃はイメージとは違った自分の人生に戸惑いもあったという。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

 結果が出たのは約1年半後、小学校3年生で全国2位になった。

「その時はもちろんうれしかったのですが、レスリングが好きとかそういう感覚はありませんでした。本当に楽しくなったのは、小学校5年生のとき、チームを変えて(注:東京ゴールドキッズ)からです。学校終わるとすぐに急いでチャリで駅まで行って1時間半くらいかけて毎日通っていました。結構ハードな生活をしてたのですが、そこで一気にレスリングが好きになりました。日本一のチームで強い子もいっぱいいて、同年代の強い子、男の子も女の子もいっぱいる。しかも意識が高くてみんなが上を目指していました」

 全国大会で好成績を収め、国際大会への派遣など、カンナのレスリング人生は順風満帆で、一気に中学時代を駆け抜けた。

 しかし、その道はぱったり途絶える。高校1年を終える頃にレスリングも高校も辞めたのだ。

「今まで8割レスリングという生活を送り、トップを目指してたのに、それがなくなっちゃって、本当に落ち込みました。そのときお母さんは一緒に泣いてくれました。そっとしておいてくれてはいたけど、気にかけてくれていたし、一番迷惑かけたり、心配かけちゃいました。でも格闘技を続けてこられたのはお母さんがいたから。お父さんが厳しい反面、すごくやさしくて、今も仲良くて一緒に旅行に行ったりもします」
 
 高校までは出ておきたいという思いで入り直し、シュートボクシングを始める。それまでのレスリング経験を生かすために総合格闘技を始め、17歳でプロデビューを果たした。

「正直言うと、RIZINの舞台に立たせていただいた最初のうちは、心のどこかで『本当はこうじゃなかったはずなのに…』と思うこともありました。だからこそ最初の頃は『絶対に見返してやろう』という思いで頑張りました」
 
 プロになってこれまで18勝4敗。「やさしくていつも応援にきてくれる」中学生の弟と、「レスリングがめちゃくちゃ強くて一番格闘技に向いた性格」という高校生の妹は、カンナの大きなモチベーションでもある。「2人ともずっと可愛くて仕方ない。2人にとって自慢のお姉ちゃんになりたいなって思っているんです」
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号