YouTubeの『浅倉カンナチャンネル』では度々家族が登場し、笑いあり、涙ありの物語が繰り広げられ、ホームドラマを見たかのように心を温かくさせてくれる。その映像制作を担当するのは「苦しい時もずっと一緒に過ごしてきて、一番格闘技に理解がある人。いい意味で気を使わずに色んなことを話せる」兄によるものだ。

「今は以前のように『こんなはずじゃなかった』とは思わなくなりました。責任感も出てきたし、女性の格闘家がもっともっと増えるといいなって。自分はもともとそんなに素質があったり、才能があったわけではないんですが、こういう私でもなれた。色んな人がもっと格闘技を近くに見てくれたらすごくうれしいです」
  　世界王者の経験を持つ浜崎との戦いが２日後に迫ったが、カンナはこの試合を何のために頑張るのだろう？

「格闘技って1人で戦っているように見えるけど、全然1人ではなくて、家族はもちろん、レスリングやっていた頃から応援してくれている人もいますし、辞めてからも応援してくれている人、今応援してくれている人もたくさんいる。その人たちの期待に応えたいというのはあります。母がいつも試合前に家族の写真入りのカードにメッセージを書いてくれるのですが、いつもそこに『みんなのために』って書いてあるんです。それを見ると、私も1人じゃないな、みんなのために戦いたいなって思います」

　乗り越えてきた苦しみのぶんだけ、家族に支えられ、愛されてきたぶんだけ強くなった23歳のカンナは、「みんなのために」プロとして23試合目のリングに立つ。

文●保坂明美（THE DIGEST）

【動画】浅倉カンナがYouTubeで父・洋平氏と語り合う！