そんな橋本は、現在、新技のパワースラムを習得中なのだが、そこにも彼女なりの思い入れがある。

「元々、パワースラムをやりたいと思い、自己流で練習して試合で出していたのを、新崎人生さんから『パワースラムをするならバズ・ソイヤーさん（WWEなどで活躍、日本では新日本プロレスに来日）のが１番だから』と教えて頂き、実際に新崎人生さんにも指導してもらいました。本当に難しい技ですが、タイミング、スピード勢いが全て揃えば、現在のフィニッシュ、オブライトにも並ぶ技になると確信してます」

　絶対的なフィニッシュ・ホールドであるオブライトに続く、もうひとつの必殺技を磨く橋本が、今大会で魅せたいのは、ずばり“仙女魂”だという。彼女は自らの「本音」を明かしてくれた。
  「昔、私が夢中になって見ていたGAEAJAPANのリングで、昔以上に熱い試合をして未来をみせます。GAEA JAPANの生んだ、センダイガールズとマーベラス。その中でも橋本千紘が女子プロレスを引っ張っていくことを証明します」

　並々ならぬ闘志を燃やす橋本は最後に「このコロナ禍を現状打破していけるようにプロレスで元気と勇気をお客さんに送りたいと思います！」と付け加えることを忘れなかった。今大会は厳しい環境下で開催となるが、プロレスの力で吹き飛ばす気持ちで当日のリングに立つ。

取材・文●どら増田