専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

“キング”内村航平が取り組むH難度の大技「ブレトシュナイダー」は五輪メダルへの武器になるか?過去の離れ業と徹底比較!

矢内由美子

2021.05.19

離れ技の難度を大きく上げてきた内村。東京五輪は金メダル筆頭となるだろう。(C)Getty Images

離れ技の難度を大きく上げてきた内村。東京五輪は金メダル筆頭となるだろう。(C)Getty Images

■2008年北京五輪(個人総合銀メダル)
  離れ技       難度  価値点
・屈身コバチ      E難度 0・5
・コバチ        D難度 0・4
・コールマン      F難度 0・6
※離れ技3つ、離れ技の価値点合計1・5
            
■2012年ロンドン五輪(個人総合決勝では予選で落下したコールマンを抜いて実施)
  離れ技       難度  価値点
・伸身トカチェフ    D難度 0・4
・カッシーナ      G難度 0・7
・ヤマワキ       D難度 0・4
・コールマン      F難度 0・6
※離れ技4つ、離れ技の価値点合計2・1

■2016年リオデジャネイロ五輪
  離れ技       難度  価値点
・屈身コバチ      E難度 0・5
・カッシーナ      G難度 0・7
・コールマン      F難度 0・6
・ヤマワキ       D難度 0・4
※離れ技4つ、離れ技の価値点合計2・2

■2017年、2018年
※離れ技はリオ五輪と同じ。離れ技の価値点の合計2・2も同じ

■2020年~現在
  離れ技       難度  価値点
・ブレトシュナイダー  H難度 0・8
・カッシーナ      G難度 0・7
・コールマン      F難度 0・6
・ヤマワキ       D難度 0・4
※離れ技4つ、離れ技の価値点合計2・5

 ここから分かるのは種目別の鉄棒に絞った昨年以降、離れ技の難度合計が大きく上がっていることだ。そして、その原動力となったのがH難度のブレトシュナイダーであるのは一目瞭然。1つの技で0・8点を得ることができるこの大技は、価値点の高さからもわかるように世界でも数えるほどの選手しかできないものであり、他を引き離す点が出る理由となっている。
 
 内村はブレトシュナイダーを昨年9月の全日本シニア選手権で初めて試合で実施。このときは体がバーに近づいてしまい、出来栄え点が伸びなかったが、2か月後の11月にあった国際交流試合では完璧に近い状態まで完成度を上げて、15・200点を出した。

 内村はその後も、12月の全日本選手権で15・700点をマークし、今年に入ってからは4月に15・166点、15・466点、今回が15・333点と、すべて15点台に乗せている。

 世界選手権種目別鉄棒の優勝スコアは2017年がスルビッチ(クロアチア)の14・433点、2018年がゾンダーランド(オランダ)の15・100点、2019年がマリアーノ(ブラジル)の14・900点。内村はすべてを上回っており、東京五輪に出場すれば金メダル候補、しかもその筆頭となるのは疑いのないところである。

文●矢内由美子

【PHOTO】体操界の“生きるレジェンド”内村航平!数々の記録を特集ギャラリーで振り返る!
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号