ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも、21歳のルーキーの初挑戦を、「0.018秒という僅差でQ２進出を逃してしまいましたが、ベテラン選手に混じり、落ち着いた予選走行ができたと思います。明日のレースをきっちりと完走して、さらに経験を積み上げてほしいです」と評価し、期待を寄せている（ホンダレーシング公式サイトより）。

　海外メディアでは、角田の予選順位を伝えるだけの報道が多い中で、ポーランドのモータースポーツ専門メディアは『dzie pasje』は「角田は再び予選に失敗。アルファタウリの名誉はガスリーによってのみ守られた」、イタリアの『MOTORIONLINE』は「16位でのQ１敗退により、決勝レースが困難を伴うものになったにもかかわらず、角田は初体験のコースでの自身の走りに満足感を示した」という厳しい見方もやはり少なくない。
  『MOTORIONLINE』はさらに踏み込んで、彼の精神面にも触れ、「８列目からのスタートは理想的なものではないが、過去の週末では感情が高まり過ぎた彼が今回は、落ち着いてスタートし、レースを展開できるかを見る必要がある」と決勝への興味も綴っている。

　SNSでは「完全攻撃の準備はできている」「全てを明日のレースにぶつけます」と意気込みを示したチームと角田。ミスをすれば、すぐにガードレールの餌食になる厳しい伝統のレースでは、前述の伊メディアが指摘したように、積極性とともに忍耐力も必要になる。バーレーンGPで見せたような、クレバーなレース運びを再び披露できるか、要注目である。

構成●THE DIGEST編集部