そこで、昨季はレッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、２度の表彰台（いずれも３位）を達成したタイ人ドライバーを、２年ぶりに古巣復帰（当時はトロロッソ）させようということだ。レッドブルでは不安定さが目立ったが、適応力は非常に高く、またプレッシャーがかからない状況ではハイパフォーマンスを発揮できるという。そして、この交代はレッドブルにとって「失うものは何もなく、逆に全てを得られる可能性がある」と同メディアは主張している。
  　まだシーズン序盤であり、ルーキーに現時点で多くを求めるのは酷とも言えるが、前述のメルセデスとの熾烈な競争が展開中であるという事情、そしてドライバーに見切りをつけるのが早いことで知られるレッドブル・グループだけに、早々に動きがあることも十分に予想されていたものではある。

　今回の措置は、21歳の日本人ドライバーにとっては、ある意味「最後通告」と見ることもできるだろうが、一方でこうしたプログラムを組むのは、首脳陣が簡単に見限れない能力を角田が秘めていることの証とも言えよう。これが彼の成長を促し、期待通りのパフォーマンスを引き出してくれることを期待したいものだ。

構成●THE DIGEST編集部

【関連動画】モナコGPのハイライトシーン！オンボードカメラが捉えたベッテルとガスリーの大迫力バトルをチェック