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ラグビー

胸を張れ、顔を上げよ。ラグビー日本代表がW杯で蒔いた「未来への種」

吉田治良

2019.10.22

前半、田村のペナルティキックが決まり、3点が入る。その後、得点を奪うことはできなかった。(C)GettyImages

前半、田村のペナルティキックが決まり、3点が入る。その後、得点を奪うことはできなかった。(C)GettyImages

 この日、日本が選択したのは、アイルランドやスコットランドを葬り去った「つないで相手を振り回すラグビー」ではなく、ジェイミー・ジョセフHCが就任以来、徹底して取り組んできたキッキングゲームだった。SHの流はその狙いをこう説明している。

「南アに対しては、自陣から継続して揉むのは無理なので、(キックで)裏にボールを入れて、そこから取り返したり、相手がキックを返してきたところで、もう1回スイッチを入れてアタックするというのを意識した」

 確かに、前から圧力をかけてくる南アフリカのバックライン後方には、キックで“カオス”な状況を作り出すにはうってつけのスペースが口を広げていた。狙いどころではあっただろう。
 
 だが、「過去に感じたことのないくらいの強さだった」と流が振り返ったように、南アフリカのディフェンスの出足と強度は凄まじく、簡単にはそれを許してくれない。攻撃を司る流と田村に、あえてレイト気味にタックルを仕掛けることで、彼らをブレイクダウンから遠ざけ、日本にリズムを作らせなかったのだ。

 10分に“ビースト”(野獣)の異名を取るPRのテンダイ・ムタワリラが、体重115㌔のPR稲垣啓太を抱え上げ、ピッチに叩きつける。これが危険なタックルとされ、シンビンに。数的優位に立った日本は、ここから一時的にペースを握る。13分にWTB福岡堅樹が左サイドを切り裂くと、19分には相手スクラムを押し返して得たPGを田村が決めてスコアを3-5とする。
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