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モータースポーツ

角田裕毅、初Q3進出も最後のクラッシュに「複雑な気分」。現地メディアは「意図せぬ妨害」「並外れたパフォーマンス」と様々な評価

THE DIGEST編集部

2021.06.06

 車の修理に追われることとなったチームも、やはり思いは複雑なようで、チーフ・レースエンジニアのジョナサン・エッドルスは「ユウキはQ2で素晴らしいラップを刻み、初のQ3では8位につけたが、残念なことにハードにプッシュし過ぎた」とコメント。しかし、「これも学習体験の一部であり、彼は今週末、ペースを上げ、非常に良いパフォーマンスを発揮した」と擁護するとともに、今GPでの進歩を称賛した。

 また、ホンダのパワーユニットを積んだ4台がいずれもトップ10入りしたことに満足感を示したホンダ・レーシングの田辺豊治テクニカルディレクターも、Q3進出を達成した角田を「良い走りをしている」と評価する一方で、「マックス・フェルスタッペン選手、セルジオ・ペレス選手、ピエール・ガスリー選手が赤旗中断(終了)によってタイム更新できなかったことにはフラストレーションを感じます。そして、角田選手のクラッシュがその赤旗の原因となったことは残念です」とも語っている。

 結果的に角田のクラッシュによって、各ドライバーの最後のアタックがフイになったことで、彼に対して厳しい目を向ける現地メディアも少なくなく、オランダの『RN365』は「意図せずフェルスタッペンを妨害」、英国の『planetf1』は「自信を持った角田の後味が悪いラストアタック。運転ミスで自らを悩ます」と綴り、メキシコの『MedioTiempo』はSNSに寄せられたペレスファンの角田への不満や怒りを表わした投稿をまとめて紹介した。
 
 しかし、これらのメディアでさえも、Q3進出を果たした角田のパフォーマンスが向上したことは認めており、『planetf1』は「印象的な予選でのペース。彼の走りには明らかな改善が見られた」と記述。また、イタリアの『MOTORIONLINE』は「並外れたパフォーマンスでF1キャリア初のQ3進出。高層ビルの合間のコースで、優れたドライビングによって巧妙な戦略を成立させるとともに、チームメイトにも好影響を与えた。最終アタックでは、彼も『キラーカーブ』の犠牲となった」と賛辞を贈っている。

 結果の面でも進化を見せた21歳の日本人ドライバー。Q2での全てをうまくまとめ上げてのベストラップは、彼の限界を攻める積極性が初めて良い形で表われたものだと言えよう。最後のクラッシュについては議論を巻き起こしているが、決勝でも良い部分を活かしながら、ベストな結果を残せるか要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】赤旗で予選終了!ターン3で曲がり切れず最後はクラッシュした角田

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