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【安田記念を掘り下げる】ダノンキングリーの勝因、グランアレグリアの敗因は?秋戦線の期待場も紹介

THE DIGEST編集部

2021.06.07

 一方で敗れたグランアレグリアは、手綱をとったクリストフ・ルメール騎手が、「前走と手応えがまったく違っていた。呼吸も苦しそうだった」と語り、スポーツ紙の報道によれば、藤沢調教師「(馬体に)余裕があったみたいだ。もう少し調教をしたほうが良かったかもしれない」とコメントしたという。

 馬体重は前走比で+4㎏にすぎないが、筆者の目には、好調時の研ぎ澄まされたシャープさがなく、ややコロンとして映った。ヴィクトリアマイル(GⅠ)圧勝のあとは、中2週という短いレース間隔を考慮して調教の場をコースから坂路に移し、ソフトな仕上げをしていたことが影響したのか。その真実は知る由がないが、名伯楽の誉れ高い藤沢調教師でも筆を誤ることはある、というべきか。

 シュネルマイスターがアタマ+半馬身差の3着に食い込んだのは立派のひと言。大きな成長の余地を残しているのは明らかで、秋のマイル路線、また来年に対して明るい展望が一気に開けた。
 
 4着となった2番人気のインディチャンプ(牡6歳/栗東・音無秀孝厩舎)は、前目につけて直線勝負をかけたが、最後に末脚が鈍ってしまった。道中、やや行きたがる様子を見せたのが終いの伸びに響いたのかもしれないが、力の衰えがないのを示したことで、秋への期待をつないだとも言える。

 3番人気に推されたサリオス(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)は、中団のまま伸びを欠いて8着に終わった。松山弘平騎手が「スタートで踏ん張りがきかず、好位置が取れなかったため、脚を矯めることができなかった」と悔やんだように、レースの流れに乗れないままで終わってしまった印象。低迷する馬を立て直すことにも秀でた堀調教師だけに、今後の巻き返しを期待したい。

 安田記念のプレビュー記事で推奨したラウダシオン(牡4歳/栗東・斉藤崇史厩舎)だが、期待を大きく裏切って最下位に惨敗した。ただ、直線に入って伸びかかったところでグランアレグリアに進路をカットされ(ルメール騎手は過怠金3万円)、続いてギベオン(牡6歳/栗東・藤原英昭厩舎)からも不利を受けて(西村淳也騎手は戒告)レースにならず、最後にミルコ・デムーロ騎手は追うのを止めてしまった。これで本馬を見限るのは早計で、筆者は今年いっぱい、しつこく追い掛けていくつもりだ。

文●三好達彦

【関連動画】8番人気のダノンキングリーが快勝!安田記念のJRA公式動画はこちら
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