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ゴルフ

全米女子オープンを制した19歳の笹生優花。前半崩れるも「自分のゴルフ」を貫けた要因は?

山西英希

2021.06.08

 笹生と言えば、ロリー・マキロイのスイングを真似していることが有名だが、きっかけは11年の全米オープンでマキロイが優勝したことだった。最初はヤニ・ツェンとマキロイのどちらのスイングを真似するのか迷ったが、マキロイがちょうど強くなり始めた時期でもあり、最終的にマキロイのスイングを選択したという。写真は一切見ずに、マキロイが自分自身のスイングを解説する動画を何度も繰り返して見た。アドレスに入る前の動きから真似したが、特に注意したのが、バックスイングで左腕を曲げずに、できるだけ遠くに両手を上げることだったという。

 スイングだけでなくタイミングも近づけるようにしたことで、8割以上はコピーできていると語っていたが、出るミスまで同じになってしまったというのは面白い。ただ、昨年ぐらいから自分のスタイルに合わせたスイングに変えているという。
 
 トーナメント会場ではストイックな姿勢を見せることが多いが、その横顔は一般的な19歳と変わらない。礼儀正しく明るい性格で笑顔が絶えないイメージだ。今回の優勝で念願のLPGAツアーメンバーになることができたが、言葉の問題もないし、すぐに溶け込むことができるだろう。国内女子ツアーにとって笹生がいなくなるのは残念だが、スケールが大きい選手だけに、LPGAツアーで戦ったほうが成績も伸びるはず。近い将来、日本選手としては岡本綾子以来の賞金女王、宮里藍以来の世界ランキング1位の座も夢ではない。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
 
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