専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
格闘技・プロレス

「完全燃焼できました!」“失明のリスク”を負った佐山駿介が21分13秒のラストマッチでリングに別れを告げる【TTT】

萩原孝弘

2021.06.16

得意のキック、エルボーを中心にラストを飾った佐山。

得意のキック、エルボーを中心にラストを飾った佐山。

 ただ「失明の可能性もあるということで、恐怖はあります。でもケジメとして引退試合はどうしてもやりたい」。リスクを承知でラストファイトを決意。

 パートナーはASUKA PROJECTの先輩で、同じTTT所属の瀧澤晃頼、対戦相手には同じくASUKA PROJECTの先輩・仲川翔大と、デビュー戦の相手でもある阿部史典と「最後に戦いたい相手」を選んだ。

 引退試合に向け約1か月「受身がダメだと医者の方にも言われたため、必要最低限しか受身は取れませんでしたが、眼圧は大丈夫とのことでウエイトやミット打ちトレーニングで補ってきました。自分でリングに上がると決めた以上最高の準備をしてきました」と納得行くまでコンディションを整えた。

「悔いしか残りませんが、少しでも悔いを減らすために最後の試合に向けて全力を注いでいます。引退試合はけじめ。来てくれた方や応援してくださる方に最後のプロレスラー佐山駿介を魅せたい。残り1回の戦いの場。集大成をお見せします!」完全に燃え尽きるため、覚悟を決めて最後のリングへと向かった。
 
 紙テープ代わりの青いサイリウムが会場に輝く中、最後にリングインした佐山駿介。得意のキック、エルボーを中心に、気持ちのこもったビンタを張っていく“佐山スタイル”で、阿部&仲川と対峙すると、エプロンを駆け込みながらのPKや、ひねりを加えたバックドロップなど、気合を全面に出したファイトで観客を魅了した。ラストファイトを白星で飾りたかった佐山だったが、最後は阿部の「お卍固め」の前に無念のタップ...時間にして21分13秒。僧侶でもある阿部に、プロレスラーの魂を成仏させてもらった佐山は、ラストのリングをたっぷりと味わい、充実の徒労感とともに自分の足で最愛の場所に別れを告げた。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号