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格闘技・プロレス

「完全燃焼できました!」“失明のリスク”を負った佐山駿介が21分13秒のラストマッチでリングに別れを告げる【TTT】

萩原孝弘

2021.06.16

 興行の最後には、引退イベントが執り行なわれ、まずファンに挨拶。「泣き疲れちゃって、言うことが飛んじゃったんですけど……」と言いながら、今日のカードの相手・仲川、阿部、パートナーの瀧澤にお礼すると、3人共泣きじゃくりながら聞き入っていた。続いてTTTのメンバーに「この団体に居れたからこそ、自分は引退興行をやらせて頂けたと思っていますので、本当にありがとうございました」と感謝。「プロレスを反対していたが、最後に勇気を出して観戦してくれた」両親にも挨拶し、また涙を流した。最後に会場に駆けつけてくれたファンにも頭を下げ、「命がけで試合している」仲間への協力を呼びかけた。ラストには「本当に皆さん、ありがとうございました」と心からの感謝の意を表し、引退の10カウントを聞き入った。

 試合を終えた佐山は「やりきりましたね!辞めたくて辞めるわけではないので、どうしても悔いは残るんですけど、少しでも悔いを減らすために今日のパートナー、対戦相手だったので、その中で最後に自分の力を出し切れたかなと思います」とスッキリした表情だった。
 
 TTTのメンバーに対しては「旗揚げのときに『TTT引っ張っていきます』と言っておいて、このような形で終わってしまったので、TTTの皆さんにはホントに申し訳ない」と謝意を表すも「ただ瀧澤さんも入りましたし、これからTTTはどんどん上目指して、インディー統一を掲げて頑張ってくださると思うので、自分も表には立たないですけどどこかしらでサポートしたい」と共闘も誓った。

 最後にはかけがえのないファンに向けて「若手としては誰よりも濃いプロレス人生を歩んできた自信があるぐらい、濃かった4年間ちょっとでした。自分がプロレスラーとして全うできたのも、皆さんの応援やサポートがあったからだと思うので、感謝しております!ありがとうございます。何らかの形でプロレスに恩返しができればと思っているので、今度は一般人としてですが会場でお会いしましょう!」と改めてお礼し、「完全燃焼できました!」と笑顔で会場を後にした。

 北海道から沖縄まで、日本国中のインディーで暴れまわり、海外にも足を伸ばした佐山駿介。ステージこそ変わるが、プロレスで培った「GUTS AND SPIRIT」を胸に、第二の人生を駆け抜ける。
 
取材・文 ●萩原孝弘

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