稲見と奥嶋コーチは19年から契約を結んでおり、当時持ち球だったドローボールからフェードボールに変えさせるなど、稲見の実力アップにかなり貢献している。ただ、頑固な面を持つ稲見に自分の理論を納得させるには苦労することもあり、何度も衝突を繰り返したという。「そんなにボクのアドバイスを聞けないならコーチを辞めたっていいんだよと言ったこともあるぐらいです」(奥嶋コーチ)というほどだ。
それでも、稲見から絶不調なのでスイングを見てほしいと連絡が入ると、数時間かけて稲見がいる練習場にかけつけ、長時間に渡ってスイングの調整を行なうことも珍しくない。そんな関係だからこそ、稲見の奥嶋コーチに対する信頼は厚く、五輪でも最後までマイペースでプレーできたのではないか。
今後の目標として、国内メジャー優勝とツアー通算10勝を掲げる稲見だが、現在通算7勝の稲見にとって2ケタ勝利は時間の問題だろう。国内メジャーに関しても、まだ3試合残っているので十分チャンスはある。それよりもシーズン6勝を挙げているわけだし、03年に不動裕理が達成したシーズン10勝にチャレンジしてみてはどうだろうか。
当時の不動には恐ろしいほどの安定感があったからこそ達成できた快記録だが、今季前半戦で見せた勢いに乗ったときの稲見の強さは、不動に勝るとも劣らない。メダリストとしてのプレッシャーもさほど感じていないようだし、シーズン終盤に再びゴルフ界を盛り上げてくれることを期待したい。
文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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それでも、稲見から絶不調なのでスイングを見てほしいと連絡が入ると、数時間かけて稲見がいる練習場にかけつけ、長時間に渡ってスイングの調整を行なうことも珍しくない。そんな関係だからこそ、稲見の奥嶋コーチに対する信頼は厚く、五輪でも最後までマイペースでプレーできたのではないか。
今後の目標として、国内メジャー優勝とツアー通算10勝を掲げる稲見だが、現在通算7勝の稲見にとって2ケタ勝利は時間の問題だろう。国内メジャーに関しても、まだ3試合残っているので十分チャンスはある。それよりもシーズン6勝を挙げているわけだし、03年に不動裕理が達成したシーズン10勝にチャレンジしてみてはどうだろうか。
当時の不動には恐ろしいほどの安定感があったからこそ達成できた快記録だが、今季前半戦で見せた勢いに乗ったときの稲見の強さは、不動に勝るとも劣らない。メダリストとしてのプレッシャーもさほど感じていないようだし、シーズン終盤に再びゴルフ界を盛り上げてくれることを期待したい。
文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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