その他、休養から２戦を叩いて順調に良化してきたジャンダルム（牡６歳／栗東・池江泰寿厩舎）や、昨年の高松宮記念を制し、中山で〔３・２・０・１〕という抜群のコース適性を誇るモズスーパーフレア（牝６歳／栗東・音無秀孝厩舎）なども人気になりそうだが、本欄では穴馬として２頭をピックアップしたい。

　オープンの鞍馬ステークス、リステッドの安土城ステークスを連勝し、セントウルステークスでも０秒２差の３着に食い込んだクリノガウディ（牡５歳／栗東・藤沢則雄厩舎）。本馬は昨年の高松宮記念で１位入線しながら、ゴール前での斜行が他馬の進路を妨害したとして４着降着となった惜しい経験を持つ。

　中山は〔０・０・０・４〕とコース実績は悪いが、３歳時の距離不適なレースがほとんどで、昨年のスプリンターズステークスでは勝ったグランアレグリアからは０秒７離された５着ながら、２着のダノンスマッシュとは０秒２差でゴールしており、あまり気にする必要はない。
  　追い切りでも終いは力強い伸びを見せて、好調ぶりをアピール。”軸”に据えて強気に攻めるのも一考だ。

　そして、筆者が最大の穴馬と見るのは、出走馬のなかでいちばん末脚が”切れる”シヴァージ（牡６歳／栗東・野中賢二厩舎）である。

　重賞初制覇となったことしのシルクロードステークス（Ｇ３、中京・芝1200メートル）では、上がり３ハロン33秒６の爆発的な末脚を繰り出して９頭をごぼう抜きにした。レースの流れがオーバーペースになれば、一気の追い込みが決まるシーンがあるかもしれない。

文●三好達彦