エフフォーリアの馬体の充実ぶりにも目を見張った。
鹿戸調教師によると、牧場からトレセンへ帰厩した際にはダービー出走時よりも30kgほど体重が増えてふっくら見せるとともに、見違えるほど逞しくなっていたという。そしてレース当日の計測値は前走比プラス4kgだったから、成長した体躯をじっくりと絞り込んで本番を迎えた調整過程の順調さが窺い知れる。
古馬より2kg軽い斤量や、稍重の皐月賞を圧勝しているように、湿り気を帯びた馬場状態が味方したのは確かでも、錚々たる古馬陣を撃破した力量は立派のひと言。来年以降は中距離路線を背負って立つ馬になることが約束されたも同然である。
父のエピファネイアは、初年度産駒から牝馬三冠のデアリングタクトを出して一気に評価を上げ、2年目の産駒として送り出したのがエフフォーリアである。
今年の種付料は1000万円(受胎確認後支払)でも申し込みが満口になる人気ぶりだったが、来年はさらに種付料も人気も上昇することが予想される。
エフフォーリアの次走は、「オーナーとの相談で」という注釈付きながら、鹿戸調教師が年末の有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)を予定している旨を明かした。
2着のコントレイルはゲートでやや出負けして、位置取りが悪くなったことが痛かった。そのため、直線では外へ持ち出すのにやや手間取り、その差が最後まで詰まらなかった。福永祐一騎手と矢作芳人調教師が揃ってその点を敗因として挙げているが、最初にゲート入りしてスタートまでかなりの時間を待たされる最内の1番枠に入ったことが裏目に出たと言えるかもしれない。
コントレイルは次走のジャパンカップ(GⅠ、東京・芝2400m)をラストランとして、種牡馬入りすることが決まっており、そこで有終の美を飾れるようあらためて期待したい。
大阪杯に次いで二度目の2000mへの挑戦となったグランアレグリアだったが、積極的な競馬で3着と、高い能力の一端は証明した。しかし、重馬場も影響して0秒9差の4着に負けた大阪杯を見てもわかるとおり、道悪は得意とは言えず、今回も降雨で馬場が渋ったことは、スピードを持ち味とする彼女にとってツキがなかったと言えるだろう。ちなみにルメール騎手はレース後、「やわらかい馬場で反応がいつもと違っていたし、距離も少し長かった」と述懐していたという。
この結果からジャパンカップを目指すことは考えづらく、正式には明かされていないが、今後はマイルチャンピオンシップ(GⅠ、阪神・芝1600m)から香港マイル(GⅠ、シャティン・芝1600m)か香港カップ(GⅠ、シャティン・芝2000m)をターゲットにする可能性が高まったと言える。
穴党の筆者にとって、これだけ硬い決着では馬券的には手も足も出ないが、”3強”が真っ向からぶつかり合い、上位を占めるというのも競馬の神髄に触れる僥倖だ。馬券を離れて手に汗握った秋の”盾争い”だった。
文●三好達彦
【関連動画】“3強“の競り合いを制したのはエフフォーリア!天皇賞・秋のレース動画をチェック
鹿戸調教師によると、牧場からトレセンへ帰厩した際にはダービー出走時よりも30kgほど体重が増えてふっくら見せるとともに、見違えるほど逞しくなっていたという。そしてレース当日の計測値は前走比プラス4kgだったから、成長した体躯をじっくりと絞り込んで本番を迎えた調整過程の順調さが窺い知れる。
古馬より2kg軽い斤量や、稍重の皐月賞を圧勝しているように、湿り気を帯びた馬場状態が味方したのは確かでも、錚々たる古馬陣を撃破した力量は立派のひと言。来年以降は中距離路線を背負って立つ馬になることが約束されたも同然である。
父のエピファネイアは、初年度産駒から牝馬三冠のデアリングタクトを出して一気に評価を上げ、2年目の産駒として送り出したのがエフフォーリアである。
今年の種付料は1000万円(受胎確認後支払)でも申し込みが満口になる人気ぶりだったが、来年はさらに種付料も人気も上昇することが予想される。
エフフォーリアの次走は、「オーナーとの相談で」という注釈付きながら、鹿戸調教師が年末の有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)を予定している旨を明かした。
2着のコントレイルはゲートでやや出負けして、位置取りが悪くなったことが痛かった。そのため、直線では外へ持ち出すのにやや手間取り、その差が最後まで詰まらなかった。福永祐一騎手と矢作芳人調教師が揃ってその点を敗因として挙げているが、最初にゲート入りしてスタートまでかなりの時間を待たされる最内の1番枠に入ったことが裏目に出たと言えるかもしれない。
コントレイルは次走のジャパンカップ(GⅠ、東京・芝2400m)をラストランとして、種牡馬入りすることが決まっており、そこで有終の美を飾れるようあらためて期待したい。
大阪杯に次いで二度目の2000mへの挑戦となったグランアレグリアだったが、積極的な競馬で3着と、高い能力の一端は証明した。しかし、重馬場も影響して0秒9差の4着に負けた大阪杯を見てもわかるとおり、道悪は得意とは言えず、今回も降雨で馬場が渋ったことは、スピードを持ち味とする彼女にとってツキがなかったと言えるだろう。ちなみにルメール騎手はレース後、「やわらかい馬場で反応がいつもと違っていたし、距離も少し長かった」と述懐していたという。
この結果からジャパンカップを目指すことは考えづらく、正式には明かされていないが、今後はマイルチャンピオンシップ(GⅠ、阪神・芝1600m)から香港マイル(GⅠ、シャティン・芝1600m)か香港カップ(GⅠ、シャティン・芝2000m)をターゲットにする可能性が高まったと言える。
穴党の筆者にとって、これだけ硬い決着では馬券的には手も足も出ないが、”3強”が真っ向からぶつかり合い、上位を占めるというのも競馬の神髄に触れる僥倖だ。馬券を離れて手に汗握った秋の”盾争い”だった。
文●三好達彦
【関連動画】“3強“の競り合いを制したのはエフフォーリア!天皇賞・秋のレース動画をチェック