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ゴルフ

古江彩佳が賞金女王トップに“約397万円差”で肉薄! ライバル稲見萌寧も称賛する「隙のないゴルフ」とは?

山西英希

2021.11.08

 この当時の心境を古江は「バーディを獲ることも大事ではあるんですけど、パーセーブは本当に大事だなと思わせてくれた1日でした」と振り返る。仮に1つでもボギーを叩いていれば、プレーオフには残れなかっただけに、その印象が強まったのかもしれない。

 確かに、たとえ1バーディでもノーボギーならアンダーパーで回ることができる。結果的に今大会で古江は決勝ラウンドの2日間をノーボギーでフィニッシュしているが、ボギーを打たないように心がけていることが3つあるという。

 1つがティーショットでフェアウェイを外さない。そして2つ目が長いクラブを持つときはとくに意識しているという上りのラインを残す。そして3つ目がファーストパットで確実にカップに寄せるという一連の作業だ。見ている分には不安は感じさせないが、本人のなかでは、たとえパーオンしてもファーストパットを打つまでは安心できないという。
 
 どれも当たり前の基礎動作だ。しかし、それを確実に行なえるところが古江の強さであり、今の好調を支える源になっているのではないだろうか。実際、最終日のフェアウェイキープ率は100%であり、グリーンを外したのもわずかに2回だけだった。

 その古江のプレーを目の当たりにした稲見も「ショットもすごいですけど、それ以上にパットとアプローチがめちゃくちゃ上手だなと感じます」と評する。まさにボギーを叩いて隙を全く見せないゴルフなのだ。

 もっとも稲見も腰痛で棄権と欠場を挟みながら、しっかり単独2位に入ったのはさすがのひと言に尽きる。しかも本来のスイングと比べて6割程度しかできないのにかかわらず、だ。

 女子ツアーも残り3試合となったが、古江にとって昨年優勝→優勝→2位と好結果を出した相性のいい大会が続く。また、それを黙って見ている稲見でもないだろう。賞金女王争いは、最終戦の最終日まで目が離せなくなったのは間違いない。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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